第8話
🔯
最後の授業を受けて、講義室を出る。
本当なら今日もバイトのシフトが入っていたけど、
昨日のことがあって、店長からゆっくり休むよう言われた。
たぶんオメガが働いてるからって言われないようにするためかな。
もしかしたらそうじゃないかもしれないけど、差別があるのは確かで。
雇ってくれた店長を責めたらいけないけど、
自分の性格ってひねくれてるなぁ……笑
「あれ、碧海って今日もシフト入ってなかった?」
気づいたら隣にいる碧海。
「あぁ、あなたを家まで送ってから行こう思って。」
「えっいいよ、間に合うの?」
「大丈夫やって、そんな心配せんでも。笑」
「いや、それこそ私のこと心配しなくていいよ。」
「あかん。あなたは女の子やから。」
碧海ってなんでそんなにお母さんみたいな所があるのさ。笑
まあ、いつものことか。
すると大学の門が近づいてくると、なんとなく昨日のあの感覚がよみがえってくるような気がした。