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第6話

🔯
~ あなた side ~





「んんぅ……」





なんとなく目が覚めて、周りを見渡してみる。


見慣れた景色。そう、自分の部屋だった。



あれ、、、何があったんだっけ……


たしか、バイト中に接客してって先輩に頼まれて……


って





「あれ!なんでうちにいるの!?」

「あ、起きた?」





部屋のドアを開けて覗き込んでいるのは私の兄、奨。





「お兄ちゃん……」

「調子どう?大丈夫そう?」

「ねえ、何があったの、、、」



あまり記憶になくて、何が起きたのかよくわからないけど、いいことじゃないよね。





「あぁあのね……あなたがバイト中にヒート起こして早退したんだよ。碧海が家まで送ってくれて……」

「えっ…」



なにやってんの……


オメガが公共の場でヒート起こすなんて
迷惑にもほどがある。





「あなた……」

「また迷惑かけちゃった……っどうしよう……」





オメガなんていいことない。


涙が溢れそうになってきて俯くと、
お兄ちゃんはぎゅっと私のことを抱きしめてきた。





「しょうがないよ…予想できなかったんだから。何も不安に思わなくていい。」

「でもっ………」



でも、なんでヒートになってしまったんだろう。


ほんの少し前に周期がきて、終わったばかりだったというのに。





「ねえ、お兄ちゃん。なんで昨日きたんだろう…
ヒート終わったところだったのに……」

「そうだね、なんできちゃったのか……」





少し周期がずれるだけなら、そこまで気にすることはないのに、連続できたことがよくわからない。





「あなたさ、ヒートきたときの感覚覚えてる?」

「ヒートがきたときの感覚??」

「うん。」



覚えてる感覚といえば……


脳が痺れるように感じた。びりっと一瞬だけ。


その後に、、、


わからなくなった。でも、どこかで目の前の人のことが欲しいと思っていたように感じる。





覚えてる限りの感覚を話すと、
お兄ちゃんは少しだけ考え込んでまた話し始めた。





「たぶんね、それは運命の番だよ。」

「え?」

「なかなか見つかることないって言われてて珍しいけど、あなたは会ってしまったのかもしれない…」



運命の番に。