昨日まで普通に話してたのに。
急に距離置こうなんて、どうしたの?
なんて言えなかった。
何か気に触るような事、壱馬に言っちゃったかな?
私のテンション、ウザかった?
家で何かあったのかな?
頭の中でいろんな考えがグルグル回る。
莉央
あなたちゃ〜ん!掃除中にぼーっとしすぎだよ!
あなた
あっ、ごめん💦
莉央
もしや、川村と何かあったでしょ〜😏
さすが私の大親友🤝🏻全てお見通しのようです👀
あなた
少しの間、距離置こうって言われた。
莉央
えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!何で!何でなの!?
あなた
わかんない。昼休み、話してたら急に。でも、なんか変だなとは思ってたけど・・・
莉央
何の話してたの?
あなた
テストの話してただけ。特に壱馬に対して無神経な事言ったつもりはないんだよね。
莉央
点数とか言った?
あなた
うん・・・
莉央
もしかして自分よりあなたちゃんの方が点数高かったから嫉妬したんじゃない?
あなた
それは絶対にないよ!壱馬、いつも上位なのに下から数えた方が早い私より低いは考えられない。
莉央
これは川村に突撃しちゃう?
あなた
あんまりしつこすぎるのもよくないかと・・・。
莉央
でもさ、何で言ってくれないの?距離置きたい理由。
あなた
私も言ってくれたらスッキリするしわかった!ってなるんだけど。
窓から見下ろすと慎や同じクラスの友達と掃除をサボって遊んでいる壱馬がいる。
今日は少し怖かった壱馬だったのに、今は笑っている。
笑ってるのを見れたのは良かった事なのかはわからないけど・・・どうしたんだろう。
あなた
壱馬・・・。
帰り道、少し先に壱馬が歩いているのが見えた。
あなた
後ろ、乗ってく?
壱馬
距離置くって意味わかんないの?
あなた
あ、ごめん・・・。じゃあ、またね。
何で・・・
私に向ける表情は壱馬が嫌いなうるさい女子に向ける時の表情と同じだった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!