第101話

緋色の殺人鬼 ④
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2023/11/18 05:19
塵歌壺ー
タルタリヤ
タルタリヤ
ふあぁぁ…眠い…
タルタリヤはあくびをしながら家から出てきた。
おや?公子の童ではないか
そこに八神子があらわれた。
八重神子
八重神子
こんな早朝にどこか散歩か?
タルタリヤ
タルタリヤ
ああ八重さん。…まあそんなところかな
八重神子
八重神子
ほーう?ファデュイの任務か
タルタリヤ
タルタリヤ
なんでわかるんだ
八重神子
八重神子
一瞬妾から目を逸らしたじゃろ?なにかやましいことごあるのではと思ったのじゃ
タルタリヤ
タルタリヤ
はぁ…そうだよファデュイの任務だよ
タルタリヤ
タルタリヤ
とはいっても、君たちの不利益になる任務じゃないよ、ここはどうか見逃してほしいね
八重神子
八重神子
ふふっ、この塵歌壺で殺し合いをするのは魈と佐久夜だけじゃ
タルタリヤ
タルタリヤ
あの子達……
八重神子
八重神子
まあ、気をつけて行ってくるが良い
璃月ー霊矩関ー
ファデュイ精鋭隊が、物資の乗った荷車を運んでいる。
こんな大量の物資、一体なにに使うんだろうな
さあ?だが公子様のことだ、きっと何か考えがあるに違いない
そんな会話をしながら、精鋭隊は足を進める。
その様子を、崖の上から見ていた人影がひとつ…。
_@_
キャハハッ……見〜つけたっ
一方ー
タルタリヤはファデュイの拠点で部下達に指示を出している。
タルタリヤ
タルタリヤ
…ところで、物資班はまだ到着しないのかい
も、申し訳ありません公子様。先程様子を見に行かせた者がいるのですが…まだ連絡が取れず…
タルタリヤ
タルタリヤ
…数時間も経っているのに、連絡も取れないのか…
タルタリヤ
タルタリヤ
仕方ない、俺が行ってくるとしよう
そ、そんな、わざわざ公子様が手を煩わせる必要は…
タルタリヤ
タルタリヤ
君達だと信用できないから言ってるんだよ
……申し訳ありません
タルタリヤは拠点を離れて行った。
タルタリヤは物資班が通るはずの道を辿っていく。
しばらく歩いたところで、足を止める。
タルタリヤ
タルタリヤ
…血の匂い…?
鉛のような香りがタルタリヤの鼻を刺激する。
彼は、その匂いが血の匂いだとすぐにわかった。
タルタリヤ
タルタリヤ
……
タルタリヤは警戒しながら前へ進む。
タルタリヤ
タルタリヤ
っ!
そしてやっと物資班のもとにたどり着いた。
しかし、そこにあったのは、ボロボロに壊された荷車と、倒れた部下達の姿だった。
タルタリヤ
タルタリヤ
これはいったい…どういうことだか…
タルタリヤはその眺めてどうするべきか考える。
あれぇ?また新しいおもちゃが来たの?
幼い少女の声がして、タルタリヤは振り向く。
タルタリヤ
タルタリヤ
…君は?
_@_
ん?私は湖由だよ〜
湖由の頬や服に、赤黒い血がついている。
タルタリヤ
タルタリヤ
これ、君がやったのかい
_@_
せっいかーい!
_@_
お兄ちゃんも、湖由と遊ぼ?
湖由はフードの中から血まみれの刃物を取り出す。
タルタリヤ
タルタリヤ
ははっ、いいね。俺も少し戦いたいところだったんだ
タルタリヤは水の双剣を作り出す。
その頃ー
_@_
……始まりましたか
凛は山の上から、湖由とタルタリヤの様子を見ている。
2人が剣を取り、刃を交わし合う様子をただ静かに眺めている。
ウェンティ
ウェンティ
あっ、いた
そこにウェンティが飛んできた。
_@_
こんにちはウェンティ
ウェンティ
ウェンティ
こんにちは、2人の様子はどうだい?
ウェンティは凛の隣に立ち、下で戦っている戦闘狂達を眺める。
_@_
楽しく戦っているようですね
ウェンティ
ウェンティ
うーん、なんだかなぁ…
ウェンティ
ウェンティ
そういえば、あの湖由って子、大丈夫なの?まだ子供でしょ?
_@_
幼く見えますが、100年は生きている子ですよ。それに、あの子は生命力が強いですから安心してください
凛はにっこりと笑う。
…………………………
タルタリヤ
タルタリヤ
ははっ、なかなかやるじゃないか!
_@_
お兄ちゃんも!すっごく楽しい!
2人は闘争本能に任せて戦い続ける。
_@_
キャッハハハ!!
湖由は高く飛び上がり、タルタリヤに斬りかかる。
タルタリヤ
タルタリヤ
隙あり!
湖由の斬撃を避け、タルタリヤは双剣をくっつけて湖由を斬り飛ばす。
_@_
ギャン!
湖由は岩に衝突し、ガラガラと衝撃で崩れていく岩の中に消えていった。
タルタリヤ
タルタリヤ
ふぅ…
タルタリヤは一息つく。
ボトッ…
その時、タルタリヤの前に何かが落ちてきた。
タルタリヤ
タルタリヤ
ん…これって………
それをみたタルタリヤの顔はみるみる青ざめる。
それは、あの少女の千切られた片腕だった。
タルタリヤ
タルタリヤ
えっ、これ結構まずいんじゃ…
……………………………
ウェンティ
ウェンティ
湖由の腕がっ!
_@_
あら…今回は早かったわね
ウェンティ
ウェンティ
凛、湖由は大丈夫なのかい?!
_@_
何も心配いりませんよ。むしろ…
_@_
ここからがあの子の本領発揮です
…………………………
タルタリヤ
タルタリヤ
さすがにここまでやるつもりはなかったんだけど…
タルタリヤは千切られた腕に手を伸ばす。
すると…
パァン!!
千切られた腕が爆発して、血肉が刃となってタルタリヤの体を斬りつけながら散らばった。
タルタリヤ
タルタリヤ
???なにが…
タルタリヤは何が起こったか理解できずにいる。
ガラガラと岩山が動き、中に埋もれていた湖由が姿を現す。
_@_
キャハハハッ……
不気味な笑い声と、猟奇的な目、そして千切られた片腕があるはずだった場所には、真っ赤な塊が義手のようについている。
タルタリヤ
タルタリヤ
っ…!
そのあまりにもグロい光景に、タルタリヤは息を呑む。
……………………………
ウェンティ
ウェンティ
なっ、なにあれっ…
_@_
あれがあの子の能力、「臓器や血液を操る程度の能力」…
_@_
湖由は、自分の体内にある血すらも武器にします
……………………………
_@_
キャハハハッアハハハハハハハハハ!!
湖由は猟奇的な笑い声をあげながらタルタリヤに襲いかかる。
タルタリヤ
タルタリヤ
(くそっ、隙がつけない…!)
さっきよりも素早い動き、激しくなる攻撃、タルタリヤは双剣でなんとかさばいていく。
_@_
あーもうっ、足重いっ!
湖由は手に持っている刃物で自分の片足を切り離し、その足を宙に投げる。
投げられた足は空中でパァンと破裂し、血の刃の雨を降らせる。
………………………………
ウェンティ
ウェンティ
自分で自分の体を傷つけて…
_@_
それがあの子の戦闘スタイルなんですよ
_@_
体が傷付けば血は流れる。それは湖由も相手も同じです
_@_
血は激しい戦闘の中であたりに飛び散り、血の海を作っていきます
_@_
そうすることで、あの子は着々と自分の有利な状況を作り出していきます
_@_
血を流せば流すほど、あの子の攻撃手段は増えていきます
ウェンティ
ウェンティ
不死身かよ…
_@_
そうですね…ですがそろそろ終わらせないと…
………………………………
タルタリヤと湖由の 激しい攻防戦はさらに激しさを増す。
_@_
みんな〜、いっくよ〜!
あたりに散らばっている血の池が、雫となって宙に浮かび上がる。
無数の刃があらゆる方向からタルタリヤ目掛けて飛ばさられる。
タルタリヤ
タルタリヤ
はあ、まったくっ……!!
タルタリヤは限界間近の体力で双剣を振り回して刃を弾く。体力も限界だが、彼の口は笑っている。
一瞬でも気を抜いたら殺される。生死の境にいるかのように、心臓が激しく脈打ち、体は本能のままに動く。
この命のやり取りこそが、彼らの求める「闘争」だ。
タルタリヤ
タルタリヤ
(ああ、最高だ!)
ゾクゾクと体が身震いし、体はさらなる闘争を求める。
バチバチと雷がタルタリヤの体を渦巻き始める。
邪眼、魔王武装を開放しようとしている。
_@_
キャハハハッもーっと遊ぼ!
湖由は真っ赤な刃物を構え、千切れた片足の部分を血で補ってタルタリヤ一直線に飛び掛かる。
タルタリヤも雷でそれに迎え撃とうとする。
ウェンティ
ウェンティ
そこまでだよタルタリヤ!
_@_
湖由、そこまで
ウェンティと凛がシールドを張って、2人の攻撃を防いだ。
_@_
あっ、凛様〜!
タルタリヤ
タルタリヤ
ウェンティ?!
塵歌壺ー
タルタリヤは医務室で治療を受けながら旅人と凛の話を聞く。
タルタリヤ
タルタリヤ
…じゃあ、俺にあの子を仕掛けてきたのは君たちだったんだね
1micron
1micron
元はと言えば君が重雲や万葉にちょっかいかけてたのが原因なんだけどね?!
タルタリヤ
タルタリヤ
強いやつと戦いたいだけなのに
1micron
1micron
だから湖由を連れてきたんだよ
_@_
あの子も戦うのが大好きですからね
1micron
1micron
で、湖由はどうだった?
タルタリヤ
タルタリヤ
強かったよ。あんなゾクゾクする戦闘は久々だったよ
タルタリヤ
タルタリヤ
はぁ、もう一度戦いたいよ
_@_
何度でも戦えるよ〜!
タルタリヤ
タルタリヤ
うわっ、びっくりした…
湖由がベットの影から現れた。

戦いの中で無くした手足は、元通りになっている。
_@_
えへへっ、お兄ちゃん強いね!しかもまだピンピンしてるなんて…湖由も気に入っちゃった!
タルタリヤ
タルタリヤ
君のあの血を使った戦い方、とても興味深いよ。怪我が治ったらまた一戦付き合ってくれないかい?
_@_
もっちろん!
1micron
1micron
ほ、ほどほどにね…
_@_
ある意味悩みの種が増えましたね、主さん♩
1micron
1micron
ああぁぁぁぁ………

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