第99話

緋色の殺人鬼 ②
76
2023/09/13 07:21
現場のヒルチャール拠点には、昨日と同じような光景が広がっていた。
っ…相変わらず惨いわね
ヨォーヨ
ヨォーヨ
うぅ…
セノ
セノ
ヨォーヨ、気分悪いなら先に…
ヨォーヨ
ヨォーヨ
ううん、ヨォーヨがんばる
セノ
セノ
無理はするなよ
ヨォーヨ
ヨォーヨ
うんっ
5人は調査を進める。
アルベド
アルベド
…マップに被害にあった拠点の位置を晒してみたけど…どうやら近場で起きてるみたいだ
行秋
行秋
なら、この辺りのヒルチャール拠点にはってみるかい?
それが1番シンプルね
いくつか候補を出して、分担して見張りましょ
5人はヒルチャール拠点をいくつか絞り出し、それぞれ見張ることにした。
夜ー
ヨォーヨとセノは、ひとつのヒルチャール拠点の近くの木に隠れて見張りをする。
セノ
セノ
今のところ問題なし…か…
ヨォーヨ
ヨォーヨ
うん
風が吹き、雲の上の満月が隠れ始める。
ヨォーヨ
ヨォーヨ
暗くなってきましたねー
3匹のヒルチャール達が拠点に戻っていくのが見える。
ヨォーヨ
ヨォーヨ
この拠点じゃないのかなー
その時、空から赤い光がヒルチャール達に被弾する。
ドゴォン…
セノ
セノ
っ、きたか?!
土煙の中から人影が現れ、人影は目に止まらないスピードで拠点に入って行った。
セノ
セノ
ヨォーヨは刻晴達に連絡してくれ、俺はあいつを追う
ヨォーヨ
ヨォーヨ
うん!
セノは人影を追って拠点に入る。
拠点はすでに肉塊と化したヒルチャール達が散らばっていた。
セノ
セノ
あの短時間で…
ザシュッ!
刃が肉を切る音がした。
セノ
セノ
っ!
次に聞こえたのはぐちゃぐちゃという生々しい音。
セノは音がした方を見るが、暗くてよく見えない。
雲に隠れていた月が現れ、静かな光が注がれる。
世界が照らされ、音の正体が明らかになる。
そこにはヒルチャール岩兜の王が倒れていた。
岩の鎧はボロボロに剥がされ、内臓は抉り出されている。
そして、その死体の上に座って肉や臓器を貪っている少女がいる。セノに背を向けているため顔が見えない。
セノは屈せずに言葉を放つ。
セノ
セノ
…お前が最近ヒルチャール拠点を荒らしている犯人か
肉を貪っていた少女はその手を止める。
…ヒルチャール…この魔物達は、そう呼ばれてるの?
少女は立ち上がる。
セノ
セノ
…ヒルチャールも知らないのか?…お前、何者だ
何者…名乗るような身分なんてないよ
少女はふわりと飛び上がり、セノの目の前に着地する。
そして、セノの顔を見上げる。ついにその犯人の顔を見れた。
…ねえ…
_@_
お兄ちゃんは人間?殺していいの…?
その顔は本当に幼く、子供のようだった。
ヒルチャールをあんなに無惨に殺しているなんてどれだけ凶悪なやつなんだと思っていたが…。
しかし、その目赤い目はずっと見ていると狂ってしまいそうで、セノは硬直する。
少女はセノの顔に近づく。
_@_
お兄ちゃんは人間?
セノ
セノ
っ……ああ…
やっとでた答えがそれだった。
_@_
……
_@_
そっか、なら殺しちゃダメだね!
少女はパッと表情を切り替えてセノから離れた。
_@_
お兄ちゃん誰?この世界の人?
少女はその容姿に見合った笑顔をする。
ヨォーヨ
ヨォーヨ
セノにぃにー!
そこにヨォーヨ達が到着した。
行秋
行秋
セノ、大丈夫かい?
セノ
セノ
ああ、平気だ
アルベド
アルベド
それはよかったよ。…ところで…その子は?
セノ
セノ
ああ、…こいつが犯人だ…多分
えっ、こんな子供が?!
_@_
???お兄ちゃん達なに話してるのー?
少女はキョトンとした顔でセノ達を見る。
アルベド
アルベド
…君、名前は?
_@_
ん?湖由のこと〜?
_@_
名前は波旬湖由はしゅん みゆだよ〜
行秋
行秋
波旬…セノ、この苗字って…
セノ
セノ
ああ、凛と同じ…関係者か?
ヨォーヨ
ヨォーヨ
湖由ちゃんは、なんでヒルチャール達を食べてたの?
_@_
お腹が空いちゃって…魔物なら殺して食べてもいいかなーって…
その時、ぐぅーっと湖由の腹が鳴る。
…はぁ、とりあえず事情はわかったわ。今回は人間に被害が出てないからいいけど…今度からはヒルチャールを食べちゃダメよ
_@_
はーい
ヨォーヨ
ヨォーヨ
お腹が空いてるなら、ヨォーヨ達の壺に来てご飯を食べましょー
_@_
えっ、いいの?!
アルベド
アルベド
ヨォーヨ、それは危険じゃないかい?今回は人間の被害がなかったから良かったものの、無害ってわけじゃ…
ヨォーヨ
ヨォーヨ
でも敵意はなさそうだよー
セノ
セノ
…湖由、お前人間は食べるのか?
_@_
食べるけど…食べちゃダメって言われてるから食べないよ!
行秋
行秋
…旅人に聞いてみたけど、招待していいってさ
アルベド
アルベド
…少し心配だけど、野放しにもできないし…仕方ないか
4人は湖由を壺に招待した。





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