委員会での集まりが長引き、
残って仕事をしていたらこんな時間。
真っ暗な校舎には、誰も居ない
あのハゲ先生、、恨んでやるっ
そんなことを考えながら校門を出た
聞こえるはずのない声。
声のする方を向くと、門の横に座り込んでいた
私を見つけた瞬間 笑顔を浮かべる
驚く私に対して
「 大丈夫 」 って笑ってるけど
その鼻先は、ほんのり赤くなっていて。
手を握ると、ひんやりしていた
ちらっとボノナを見ると、
何でもないような顔をして前を向いている
私に気を遣っての言葉じゃなく
彼の本心だと分かる
だからこそ、すごく嬉しい
堪らず、ボノナに飛びつくと
彼の大きな体に包まれた
勢い任せに出た 「好き」 だったけど
あまり頻繁に言わないから、少し恥ずかしい
手を繋いで、歩き出す
彼の綺麗な瞳から、繋がれた掌から、
温かい力強さを感じた
穏やかな表情で、
優しく頭を撫でてくれた
なんでもお見通しな彼には
やっぱり敵わない。
二カッ と大きな口から白い歯を見せて笑う彼
この笑顔があれば 、私は無敵になれる
🎧
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!