第24話

ドギョム
544
2021/05/05 12:21



満開の桜が、今年も綺麗に咲いた。

その美しい景色の中にいた人
あの時の笑顔が今でも、心に焼き付いている。



“ また、来年も _______ ”





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈






U
ソクミン先輩〜!!




今日も私はその名前を呼ぶ

大きな声で、元気に明るく。

彼が太陽みたいな人だから
それに見合うようになりたくて




ドギョ厶
ドギョ厶
あー!あなたちゃん!おはよㅎ




優しく目を細めて笑う彼は、
1つ年上の高校三年生。








ドギョ厶
ドギョ厶
もう桜も散っちゃったね..ㅎ
U
早いなぁ…
ドギョ厶
ドギョ厶
あなたちゃん桜好きだよねㅎ
U
はい!綺麗だからㅎ
ドギョ厶
ドギョ厶
へへ、僕もㅎ




知ってます。
ソクミン先輩が桜の花が一番好きって。


校門から校舎へ続く長い桜並木

花が散ってすっかり緑になった道を二人で歩く



私はあの日のことを思い出していた。









┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




あれは1年前の春の日。






U
やば…迷った……


記念すべき高校生の初日。

私は見事、迷子になっていた



U
どうしよう…
どうしたんですか?
U
え、あ、


後ろから声を掛けられ、振り向いてみると

私と同じ制服の、背が高くて優しそうな人。


私に向けた笑顔がとても眩しかった



U
道、迷っちゃって……
ドギョ厶
ドギョ厶
もしかして僕と行先一緒かな?
ドギョ厶
ドギョ厶
えっと、1年生?
U
はい……
ドギョ厶
ドギョ厶
一緒に行こっかㅎ
U
い、いいんですか?
ドギョ厶
ドギョ厶
うん!そんなに緊張しないでねㅎ
U
ありがとうございます…!


しばらく、二人で歩いた。



ドギョ厶
ドギョ厶
この学校、意外と分かりにくいとこにあるよねㅎ
U
はい…ㅎ
ドギョ厶
ドギョ厶
あ、ここ曲がるとすぐなんだけど…


先輩の顔を見ると、何かを企んでいるような顔。


ドギョ厶
ドギョ厶
僕がいいって言うまで目閉じてて!
U
え?!
ドギョ厶
ドギョ厶
いいからいいから〜ㅎ



言われるがまま、ギュッと目を閉じた。


両肩を持たれ、道案内をしてくれる。


U
あのッ……まだですか?
ドギョ厶
ドギョ厶
もうちょっと……はい! いいよ!



恐る恐る目を開けると、

見渡す限りにピンク色の世界が広がっていた。



U
す、ごい…!
ドギョ厶
ドギョ厶
綺麗でしょ!
ドギョ厶
ドギョ厶
僕、桜の花が一番好きなんだ〜ㅎ



そう言って、ひらひらと舞い落ちる花びらを
愛おしそうに眺める彼の横顔に釘付けになった。


人生で初めての一目惚れだった。










その日から私は、生まれ変わると決意した。

メガネをコンタクトに替えて、
今まで興味のなかったメイクも髪も研究を重ねた。

あ、もちろん校則の範囲内で





そうして1ヶ月が経った。


名前も知らない彼をどう探そう

そう思っていた矢先に委員会の顔合わせで
再び出会った。

きっと、彼は気づいてないけど。
でもそれはそれで都合がいい、そう思うことにした。




U
初めまして!1年のあなたです。
よろしくお願いします!
ドギョ厶
ドギョ厶
…あ、2年のソクミンです!
よろしくね、あなたちゃんㅎ




あの時とは違う私として、もう一度出会った。




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈






そんな昔のことを回想していると、
ふと隣から視線を感じた。



U
ん??
ドギョ厶
ドギョ厶
…ねぇ、始めて会った時のこと
覚えてる?
U
えーと…委員会、ですよね?
ドギョ厶
ドギョ厶
やっぱ覚えてないかぁ…ㅎ




眉毛を下げて、残念そうにくしゃっと笑った。


ん……?なんて?


もしかして…
U
満開の桜…
ドギョ厶
ドギョ厶
ん?
U
綺麗、でしたよね



すると パァッ と顔を輝かせた彼



ドギョ厶
ドギョ厶
覚えてたの!?
U
せ、先輩こそ!
ドギョ厶
ドギョ厶
委員会で会った時に「初めまして」って自己紹介されたから、忘れられちゃってたのか…ってㅎ
ドギョ厶
ドギョ厶
やっと名前知れて嬉しかったのに…
U
え、やっと…?
ドギョ厶
ドギョ厶
そうだよㅎ
一緒に桜見た日から、ずっと探してた
U
で、でも…!
何で私って気づいたんですか?
ドギョ厶
ドギョ厶
え?そりゃ気付くよ


「当たり前でしょ?」 と、
逆に不思議そうな顔をされてしまった。


U
可愛くなる努力、したつもりだったけど…ダメでしたねㅎ
ドギョ厶
ドギョ厶
…ん!ちがうちがう!
ドギョ厶
ドギョ厶
あなたちゃんは可愛いよ!
初めて会った日から、思ってた!
U
そんな、お世辞でも嬉しいㅎ
ドギョ厶
ドギョ厶
お世辞じゃないのに……
ドギョ厶
ドギョ厶
人生で初めてだったよ
U
初めて?
ドギョ厶
ドギョ厶
僕、あなたちゃんに一目惚れしたんだㅎ



春の太陽のような、明るくて優しい笑顔

その笑顔に胸を締め付けられる。



U
また…
ドギョ厶
ドギョ厶
ん?
U
「また、来年も…一緒に見たいな…」


あの日の先輩が言っていた言葉。

横を見ると、少し驚いたような顔をしていた



ドギョ厶
ドギョ厶
今年はもう散っちゃったから…
ドギョ厶
ドギョ厶
来年はその約束果たそうㅎ
U
ほ、ほんと…?



先輩は今年で卒業。

私達に来年もあると言ってくれて嬉しかった。




ドギョ厶
ドギョ厶
来年だけじゃなくて、再来年も、
その次もずっと、一緒に。





散っても散っても、美しく咲く桜のように

何度でもあの日を思い出そう

その笑顔と共に。
















🐴




























ぽこです!お久しぶりです🌸

実は今回のお話、以前にリクエスト(仮)にて
案をいただいた 「年上ドギョムさん」 でした!
本当に遅くなりすぎました申し訳ないです… (--;)
読んでいてくれたら嬉しいです🥺

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