20:00
お風呂から出る。
パジャマに着替えて、
髪の毛もちゃんと乾かした。
自分の部屋の窓を開け、
隣の家の窓を叩く。
開いたカーテンの向こうには、
呆れ顔の幼馴染。
ガチャンっと鍵の音
無事、ベッドに着地。
私たちの家の距離は1mもない
私がゲームをセットする間、
ウォヌはベッドの上でごろごろタイム
普段は無愛想で無表情なウォヌの愛嬌に弱い。
そして奴も確信犯に違いない…
いやここ誰の家だよと思いつつ
ドライヤーを取りに行き、秒で髪を乾かす
その間、ウォヌはにゃん吉(愛猫)と遊んでいた
あれ、私ヒモでも飼ってたっけ?
いつも錯覚する。
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ゲームに熱中しすぎて疲れた。
そのままベッドに倒れ込む
中学の頃までお泊まりは当たり前だったのに。
いきなり何なの?腹立つ…
あっかんべーで挑発する
これが間違いだった。
ウォヌが私を襲う?ないないㅎ
きっとゲームのし過ぎで頭おかしくなってるんだ
私の勝ちだな。
目を閉じ、ベッドの上に大の字で寝転ぶ
そう呟くと、私に馬乗りになってきたウォヌ
じたばたしても、体格差で勝てるわけない。
大きな溜息をついたウォヌ
どんどん顔の距離が縮んでいく
それでも、止まらない。
両手を枕の横に固定され、
太ももを挟むように乗られて身動きが取れない。
そしてこんな状況下で
不覚にも「綺麗な顔してんな」
そう思ってしまった。
その獲物を捉えたような黒い微笑を見て確信した
きっと私はこいつから逃げられない。
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23:00
真夜中へと沈む頃
やっとお前を捕まえた。
🦊
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。