第20話

ウォヌ
861
2021/02/12 12:47




20:00




お風呂から出る。



パジャマに着替えて、

髪の毛もちゃんと乾かした。






U
さてと、



自分の部屋の窓を開け、
隣の家の窓を叩く。



開いたカーテンの向こうには、
呆れ顔の幼馴染。



ガチャンっと鍵の音





U
おじゃましまー



無事、ベッドに着地。

私たちの家の距離は1mもない







ウォヌ
ウォヌ
お前さぁ、ドアから入れよ…
U
えー、今更じゃん
U
あ、今日は新作のでいいよね?
ウォヌ
ウォヌ
おう




私がゲームをセットする間、
ウォヌはベッドの上でごろごろタイム









ウォヌ
ウォヌ
へっくしょん!
U
髪乾かしなよ…
ウォヌ
ウォヌ
めんどい
U
乾かすまでゲームやんない
ウォヌ
ウォヌ
……乾かちて?🥺
U
 ㅋㅋㅋ
U
その顔腹立つな





普段は無愛想で無表情なウォヌの愛嬌に弱い。
そして奴も確信犯に違いない…




いやここ誰の家だよと思いつつ
ドライヤーを取りに行き、秒で髪を乾かす



その間、ウォヌはにゃん吉(愛猫)と遊んでいた




U
ん。
ウォヌ
ウォヌ
毎度ありがとうございます





あれ、私ヒモでも飼ってたっけ?

いつも錯覚する。






ウォヌ
ウォヌ
うし、始めよーぜ





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U
ウォヌ!そこアイテム!
ウォヌ
ウォヌ
よし、いけた
U
ナイスぅ!
ウォヌ
ウォヌ
そのミッションクリアすれば…!
U
よし…コンプリートぉぉ!
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ゲームに熱中しすぎて疲れた。



そのままベッドに倒れ込む








ウォヌ
ウォヌ
寝るなら帰れよー?
U
ん…今日ここで寝る…
ウォヌ
ウォヌ
だめ
U
は?なんで
ウォヌ
ウォヌ
とにかく帰れ
 





中学の頃までお泊まりは当たり前だったのに。

いきなり何なの?腹立つ…





U
ぜったい帰らん
ウォヌ
ウォヌ
じゃあ襲う
U
できるもんならやってみろ!




あっかんべーで挑発する



これが間違いだった。






ウォヌ
ウォヌ
お前ほんとに…
U
ふふ、ウォヌには無理だよ〜ㅋ



ウォヌが私を襲う?ないないㅎ
きっとゲームのし過ぎで頭おかしくなってるんだ


私の勝ちだな。


目を閉じ、ベッドの上に大の字で寝転ぶ





ウォヌ
ウォヌ
もう知らねぇ…



そう呟くと、私に馬乗りになってきたウォヌ




U
ちょ、重い。降りろ!
ウォヌ
ウォヌ
やだ



じたばたしても、体格差で勝てるわけない。





U
あ、分かった。
U
あんた私をくすぐるつもりでしょ!
ウォヌ
ウォヌ
…は?
U
だって私の弱点がこちょこちょなの知ってるじゃん?
U
絶対やめてよね!?
ウォヌ
ウォヌ
…お前、ほんとに馬鹿なの?
U
なんで私が馬鹿なのよ
ウォヌ
ウォヌ
こんな時間に男の部屋に女が居たら
どーなると思う?
U
私たちの仲じゃん、意味わかんない…



大きな溜息をついたウォヌ





ウォヌ
ウォヌ
俺も男なんだけど?






どんどん顔の距離が縮んでいく






U
ウォヌ…それ以上近づいたら怒るよ
ウォヌ
ウォヌ
ふーん?ㅎ




それでも、止まらない。



U
もう!それ以上近づいたら幼馴染やめる!
ウォヌ
ウォヌ
それ俺にとっては好都合なんだけど
U
冗談はいい加減にしてってば!
ウォヌ
ウォヌ
冗談なんかじゃないし







両手を枕の横に固定され、
太ももを挟むように乗られて身動きが取れない。






そしてこんな状況下で

不覚にも「綺麗な顔してんな」

そう思ってしまった。






ウォヌ
ウォヌ
何、見惚れてんの?
U
べつに
ウォヌ
ウォヌ
で、帰るの?帰らないの?
U
…っ
ウォヌ
ウォヌ
まぁ、もう逃がすつもりないけどㅎ







その獲物を捉えたような黒い微笑を見て確信した


きっと私はこいつから逃げられない。











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23:00


真夜中へと沈む頃





やっとお前を捕まえた。






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