病院の昼休憩が長めに取れた時、ジミンを屋上に呼び出した。
ジミナの顔には擦り傷が合った。
『ちょっと転んじゃってさ笑』
と笑っていた。
何故かその笑顔は弱々しかった。
知らないうちに泣いていた。
ボロボロ涙を流しながら、まず謝った。
ジミナは抱きしめると、
ジミナも泣いていた。
鼻をすすりながら、力強く抱きしめられた。
ジミナの首を触る。
触った途端、ひどくビクついて、
と震えた声で聞いてきた。
ジミナは私を離すと、項垂れたまま話さなかった。
護身用に隠しておいた銃を、震える手を落ち着けながら向ける。
しばらく黙り込むと、顔を上げ、
真っ直ぐ、でも弱々しく私を見て、
首を振った。
ジミナは一筋涙を流すと、
そう言って泣き始めた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!