第24話

広がる波紋②藤ヶ谷side→北山side
「話すよ二階堂に、いい?」昨夜、届いた横尾からのメール。俺は何も返せず、文面をジッと見つめたまま気がつけば携帯を握りしめ眠りについてしまったみたいで。

ファン
きゃあ~わあぁ~っ


そのとき見た夢は、懐かしの横アリで行われた滝沢くん初のソロコンサート。

2005年の冬ちょうどクリスマスの時期に行われたステージでは、その年の大河ドラマで義経を演じたことから滝沢くんが五条大橋の場面を取り入れ。俺は、この時も弁慶をやらせてもらったんだっけ。

ファン
ねぇ、あのJr.だよね最近タッキーが
可愛がっているっていう


ステージ上を赤いスポーツカーに乗って走る滝沢
くんの隣には、運転席に座る北山の姿が。

ファン
そう名前なんていったっけ?
ファン
それにしても態度デカっ


(あははっ…)

ふてぶてしくハンドルを握る姿に、ファンの子達がどう思ったかはその場にいた人のみぞ知る。

のちにA.B.C.Jr.として活動していた、宮田やタマ・ニカに千賀が加わってグループが再結成されたのは翌年の夏。

北山
マジで!?マジでステージに
立てるわけ俺たち
藤ヶ谷
やったね恭平
飯田
おう
千賀
頑張ろう、みんな
宮田
いっぱい練習しなくちゃ
玉森
俺も
二階堂
大丈夫、なんとかなるさ
横尾
呑気なやつ、ふっ
一同
あはははっ


7月26日に品川ステラホールで行われたsummaryの公演で北山は誕生日前の19才、横尾は逆に誕生日を迎えた後で北山とは歳が並び。

恭平は17、最年少の千賀、それに二階堂が14、俺は6月で18となった。宮田が16才、玉森は
15、全部で8名、これが始まりのメンバー。

しかし1年後、恭平は勉強に専念したいからと活動休止を願い出て、そのまま事務所を辞めてしまい…映画監督になる夢を追いかけ。

けど、ずっとそれから同じ夢を追い続けて来たんだ7人で一緒に。

藤ヶ谷
だから誰も欠けてはならないんだよ


目覚めて思わず呟いた言葉、明けて翌朝に再び届いた横尾からのメールには「もう誤魔化しきれない、ニカだけじゃないタマや千賀、宮田にだって近いうちにバレるだろうし」

(…だね)

「任せるよ横尾に」そう返事を返した、俺はお前を信じているからメンバーとして友として。




・北山side

あれから、なんとか俺は処方された発情抑制剤を
服用しながら舞台を続け無事に千秋楽を迎える事
ができ。

千賀
今日で最後か、やっぱり寂しいな
毎度のことだけど
宮田
そうだね


翌月から、3月30日より始まる自分たちのコンサート「Kis-My-Ft2に逢えるでShow」のツアーの準備に取り掛かっていた。

単独では2度目となる今回のコンセプトは…

「ゴースト」「ギャラクシー」「ピエロ」
「アーミー」「パイレーツ」「コメディ」
「ジャパニーズ」

この7つのテーマからなるキスマイランドがテーマで、公演は横浜アリーナから始まって福岡→仙台→北海道→広島、そして大阪がラストとなる。
〈セ.トリ〉

・Kis -My -LAND
・テンション
・Kis -My -Calling!
・Brand New Season
・Hair
・TRY AGAIN
・Daybreaker
・パラダイス銀河
・Endless Road
・太陽がいっぱい
・SHOOTING STARS
・雨
・Smile
・海賊
・抱いてセニョリータ
(玉森裕太)
・急☆上☆S.how!!
(宮田俊哉)
・HONEY BEAT
(横尾渉)
・夢物語
(北山宏光)
・宙船
(二階堂高嗣)
・Love yourself 〜君が嫌いな君が好き〜
(藤ヶ谷太輔)
・Troublemaker
(千賀健永)
・君だけに
(二階堂高嗣・北山宏光・玉森裕太)
・仮面舞踏会
(藤ヶ谷太輔・横尾渉・千賀健永)
・宮ゲー (大喜利)
・ざんばら
(北山宏光)
・祈り
・FIRE BEAT
・Kis -My -Me-Mine
・千年のLoveSong
・永遠のチケット
・ENCORE
・Kis -My -LAND
・WINNING RUN
・W/ENCORE
・テンション
・Triple/ENCORE
・Kis -My -Calling!
・Good bye,Thank you
新しい曲も合わせグループとしての持ち歌をフルに活用し尚且つ先輩たちの曲を歌わせてもらい何よりも「応援してくれるファンの皆さんと楽しい、ひとときを過ごしたい」その思いから精一杯、心を込め構成した。

横尾
いいんじゃない
北山
横尾さん
二階堂
凄くいいよ
北山
あんがとニカ


そんな俺を温かい目で見つめてくれる横尾さん、
あの日以来なにかと傍でひっついているニカ。

高林
いいですか北山さん通常Ωの発情は
3ヶ月に1度くると言われています


が、俺の場合は不定期に来てしまう可能性が高い「なんせ隠れΩだから」

薬は必ず持ち歩くように副作用もかなり出てくると予想されるため発情中は決して無理はしないこと、ツアーを控えた俺に念を押すかのように話していた高林先生の顔が目に浮かぶ。

千賀
この曲の振り付け講座、お前が
やるの?
宮田
キタミツが任せるって
言ってくれたんだぁ
千賀
大丈夫か?
宮田
おう


(ふっ)

俺が思うに宮田は「いい素質」を持っている、自分では気づいてないだけで。だからそれを開花させるきっかけになればとファンの子たちへ行う振り付け講座を彼奴に任せた。

北山
んっ?どうかしたタマ
玉森
ミツ、いい匂いがするね
北山
はっ?


気になっている事と言えば玉森、このところ微妙な距離間で俺を見つめてくる声をかけるとそんな言葉が返って来て、まるで…

北山
藤ヶ谷みたいなことを言うな、ふっ
玉森
‥‥‥


今でも思い出す自分の身体に起きた異変、それは…奥から何かが突き上がってくるような衝動にも似ていて。

北山
あ…あぁ‥あっ…ハァハァハァ、はぁ


額からは汗が吹き出し、喉が乾いて仕方なく心臓が「ドクドク」と煩く暴れ息は切れ呼吸は苦しく身体の怠さ熱さに加えて下腹部までもがムズムズと疼きだし股間は完全に勃起していた。

北山
うっ、ああっ、わあぁ、あっ
横尾
北山!


(横尾さん助けて、いや見ないでくれニカも俺から
離れて頼む)

北山
ん…やっ‥だ…やっ、あっ、ああ‥あ…


ドロドロと、自分の意思とは関係なく尻の孔からは何かがコプリと溢れ出し益々、俺はパニック状態となり。

(見られたくない、こんな姿、誰にも…くっ)

横尾
北山、大丈夫だから
北山
横…尾‥さん…くっ、俺
横尾
大丈夫、ねっ


抱きしめてくれた温もり髪を撫でる優しい手の感触「ありがとう有り難う2人とも」

安心して任せられるメンバーがいる取り乱した姿でも受け止めてくれる仲間がいる「俺は世界一幸せなのかもしれない」そう思えた夜だった。

たとえ、それが波乱な人生の幕開けだったとしても俺は忘れはしないさ。このときに受けた優しさ温かさを決して…