第4話

兆候①北山side
(このところなんだか妙に身体が怠い、なんつうか
なぁ~)

二階堂
よし、今度は俺の番っと
千賀
まだクリアしてねぇよ
宮田
ねぇ何をやっているの?
二階堂
あぁ、このゲームさぁ
玉森
宮田あぁ~寄り道していないで
早く行って来い
宮田
はぁーい今~二階堂、がっちゃん
またねぇ


(身体が思うように動かないっつうか、ポッポぽっぽ火照っているみたいでよ)

横尾
どうかした?北山
北山
えっ、あ…んにゃ


グループを結成したばかりの頃、俺はよく横尾さんと衝突した。

横尾
調子、悪いの?
北山
…まぁ


そのたびに、間に挟まれオロオロしていた藤ヶ谷。

横尾
なっ、具合悪い!?
北山
はっ?俺、なんか言った
横尾
‥‥‥


(やっべ久々に地雷を踏んでしまったらしい)

横尾
北山さ
北山
悪い、ちょっと考え事をしてて


原因は、殆んどが意見の食い違い「俺と横尾さん、どーも肌が合わなくて」だからなるべく距離を置くようにしていたんだ。

横尾
調子が悪いわけじゃないんなら
いいんだけど
北山
へっ?
横尾
あんまり無理しない方がいいよ


(もしかして心配してくれてたわけ?)

北山
あ、横尾さん


んっ?と、行きかけていた背中がこっちを向き。

北山
あんがと…な
横尾
ふっ


横尾さんは、よく気がつく。

横尾
ほらニカ、千賀、散らかしっぱなし
はダメだろ
千賀
は~い
二階堂
ほーい
横尾
宮田は?どこへ行ったの
千賀
タマに頼まれ買い出しに
横尾
タマ
玉森
ん?なぁ~に
横尾
‥…なんでも‥ない


(ガハハハッ)

てきぱきテキパキよく動く怒ると、ちょっと怖い
けど頼りになるしっかり者だ。

滝沢
稽古、開始するぞ~


滝沢くんの号令で皆が一斉に集まった、そう俺達は来年早々から始まる滝沢革命の稽古の真っ最中。

滝沢
北山、藤ヶ谷
北山
はい
藤ヶ谷
はい


今回は森光子さんも人生革命で共演することで話題となっていた。

滝沢
で、ここでお前が
藤ヶ谷
‥‥‥
滝沢
藤ヶ谷、聞いてる
藤ヶ谷
あ、すみません北山お前
香水つけてない?
北山
いや
藤ヶ谷
そう
滝沢
…‥続き、いい?
藤ヶ谷
はい


(なんなんだ?こいつ)

しかし、それからも始終俺のことが気にかかるのか時々視線が合い。

北山
んっ?
藤ヶ谷
‥‥っ


その都度ぷいっと顔を背け、その繰り返しでさ。

滝沢
今日はここまでにする
一同
お疲れ様でした


意味不明なまま終りを告げ次の日も、そのまた次の日も気がつけば彼奴は俺のことを見てて。

北山
香水はつけてねぇよ
藤ヶ谷
あ、うん
北山
なに?そんなに匂う
藤ヶ谷
‥‥‥


堪り兼ねて聞くと黙り込んでしまう「いったい何なんだよ?」そんな藤ヶ谷を見て、あのときのことを思い出す。

何かというと苛々した口調で怒り、あげくスルーしていた「2006年、滝沢演舞城」そう、あの頃からだった俺達が不仲だと言われ始めたのは。

それまで何処へ行くのもいつも一緒で先輩のツアー先に同行したときはホテルの部屋までもが一緒。

藤ヶ谷
お手紙書きましょうのコーナーで?
スタッフ
そう、お願いできる?
北山
俺と藤ヶ谷が
藤ヶ谷
うわっ、超恥ずかしい~
北山
ガハハハッ


NHKの少クラで手紙まで読み合うほど、仲が良かったのに。

北山
藤ヶ谷だいすけへ
藤ヶ谷
た・い・す・け【だ】じゃない【た】
北山
あっ、ははっ、藤ヶ谷太輔へハッキリ言って地味だよね?

でも喋り始めると、とにかく煩い。
しかも、声が高いから余計に煩い。

そんな藤ヶ谷と仲良くなったのは先輩のツアーでホテルが同じ部屋になってからだよね。

いつも、なにか変なことをやっている藤ヶ谷ですが僕にとって忘れられない事件は大阪のホテルでのこと。

面白いことを見せてくれると言い突然下半身スッポンポンになり、しかも…

大事なところを枕で隠して、ただただホテルの廊下を走る。いったい何故?

そんな藤ヶ谷がツアーの最終日に自分が嵐の一員でもないのに、歓喜あまって見せた涙はハッキリ言って目が点でした。

僕にとって、とっても不思議な藤ヶ谷ですがこれからも不思議なこと沢山して下さい。 北山より


俺は独りっ子だったから弟のように思っていた、
藤ヶ谷もまた。

藤ヶ谷
北山へ北山に初めて会ったとき自分のことを棚に上げて、色黒いよなぁ~と思いました。

ところで僕は人を笑わすことが大好きなんです、大好きな人にはいつも笑顔でいて欲しいからです。

みんなが沈んだり落ち込んだりしていると居ても立ってもいられないんです、そんな時には無理して笑わせようって頑張ってしまうんです。

そうやって僕は頑張って盛り上げているわけですが北山くんに1つ言いたいことがあります、散々笑ったあげく『はいはい、ご苦労様』と軽く言うのはやめて下さい
北山
ガハハハッ
藤ヶ谷
結構ヘコみます…

でも僕より2つも、お兄さんな北山は一見お調子者ですが助けてもらう事も多く感謝しています。これからも頼りにしています兄貴。

あなたの可愛い可愛い弟より


確かに、この時は俺のことを兄のように慕ってくれていた…はずだったのに。

北山
ちょ、おまえ何をやっているの?
藤ヶ谷
立ち位置が分からなくなっちゃってさ、あはっ
北山
ガハハッ、藤ヶ谷はこっち
藤ヶ谷
そうだっけか?
北山
しっかりしろよ、もう
藤ヶ谷
Thank You、北山


レッスン場でも一生懸命練習しているんだけど、
どこか抜けてて。

藤ヶ谷
アクロバットが曲がっちゃう、ねぇどうして?皆に迷惑をかけちゃうよ
北山
あのな藤ヶ谷お前の場合は
藤ヶ谷
うん、うん、そうか~


こいつの方が先輩なのに、なんでだか俺が教えたりしてさ「なんか面白いことをやれ」そう言うとノリノリでおどけてみせる、それが。

藤ヶ谷
俺、セクシー系で行こうと思う
北山
はっ?


いきなり、そんなことを言い。

北山
なんで?
藤ヶ谷
やっぱりカッコいいキャラ
の方がいいし
北山
面白いのに勿体ないじゃん
藤ヶ谷
それは千賀に任せ


俺は面白い藤ヶ谷が好きだった、いつも弾けてて
バカをやりはしゃぎヘタレで周りから弄られまく
っていてもヘラヘラと笑っている、そんな藤ヶ谷
が可愛くて仕方なく。

なのに、こいつは。

藤ヶ谷
自分はカッコいいキャラになる、そう決めたんだ!お笑いは千賀がいる


その一点張りで、頑として俺の言葉を聞かず。

北山
あっそ、じゃ好きにすれば


正直、寂しかったんだ自分の手から離れて行って
しまったみたいで。

それから演舞城が終わって彼奴はドラマ「下北サンデーズ」の撮影に入り放送は7月から9月まで続き俺はというと。

その年の夏ー

北山
バレーボールの?
統括
うちの山下のバックとしてJr.の
各グループから4人を選出し


名前は「Kitty」俺と伊野尾慧・トッツーと八乙女光

北山
ちょっと待って、お前ドラマの現場ではどういう人なんだっけ?
藤ヶ谷
えっ、面白いこといっさい
言わない真面目な人
千賀
えぇ~っ
二階堂
マジで!?想像できないんだけど


なーんて事も、あったりして。

まだまだ自分のキャラを模索中だった藤ヶ谷と、
そんな藤ヶ谷に対しどう接していいか分からなか
った自分。

そこに出来た微妙な距離感…

俺ら「Kitty」は、バレーボールだけじゃなく番組
まで放送され活動は翌年の9月まで続いた。

それとは別に日生劇場では滝沢くんの半生が描かれた「One!」の舞台があり加えて先輩たちのコンサートでのバックを務めJr.のステージやNHKで放送されている、これまたJr.の番組の収録など息つく暇もないほどの忙しさに追われ、でもある意味充実した毎日を送っていたのかもしれない。

ただ1つ…

滝沢
まっ、みんな悩んで大きく
なるんだから
北山
背は伸びてませんよ
滝沢
北山
北山
はい
滝沢
ケンカ売ってる?
北山
いえ俺も滝沢くんの仲間ですから
ガハハハッ
滝沢
ふっ


(いつか、いつか俺はそんな藤ヶ谷を受け止めることが出来る日が来るのだろうか?その時は笑ってお前と話がしたい、あのときはこんなんだったなぁ~って俺お前の笑顔が大好きだから)

そう思っていた、あの頃が懐かしく甦る。

弟から年下組の兄貴へ成長して行った藤ヶ谷、そして俺達が同等の立場となったとき2トップとしての時代がやって来て、こうして今 俺らはここにいる、最強のコンビ藤北と呼ばれ。

千賀
どうしたんだ?2人とも
二階堂
何かあった?
藤ヶ谷
別に


(なぁ~俺お前に出会えて良かったと思っているよ、お前はどうなの?いつか答えを聞かせて待っているから)