第20話

連鎖する性③二階堂side→横尾side
ブロロロ~車のエンジン音だけが響く無言の車内…

運転するスタッフさんの隣に俺、後ろの席には意識を失っている宏光。そして、その宏光を大事そうに抱き寄せている渉の姿があった。

横尾
あっ、そこ右です


(ナビゲーターをかって出るなら前に乗ればいいのによ)

横尾
俺が北山と後ろへ乗るから
ニカは前に乗って


(渉って、こんなにミツのこと溺愛してたっけ?どちらかというと2人とも距離をおいていた気がする、雑誌のインタビューでもそう言ってたし)

横尾
そこです、そのマンションの前で
停めて下さい


「ニカ、降りるよ」そう言われ「へーい」と無愛想に返事をし俺は先に降りて後部座席のドアを開け、それから背中を向けて渉がそこへ宏光の身体を俺におぶらせ。

横尾
OK、気をつけて
二階堂
了解、ヨイショっと
スタッフ
大丈夫ですか?
横尾
はい、有り難うございました


ペコンとスタッフさんにおじぎをし、2人してマンションの中へと入った。

横尾
えっと~5階ね


エレベーターに乗ると慣れた手つきでボタンを押し「来たことあった?渉」益々、その姿勢に疑問の目を向ける俺を尻目に目的の宏光の部屋まで行ってさ、これまた当然の如くガチャっと扉を開け中へと入れば真っ直ぐ寝室の方へ。

横尾
ここへ寝かせて
二階堂
あぁ


不思議な思いに囚われながらも、言われた通り宏光の身体をベットの上へと下ろす。

横尾
もう帰っていいよ後は俺が
二階堂
一緒にいる
横尾
えっ、おうちの人が心配するでしょ
二階堂
大丈夫
横尾
でもね
二階堂
俺がいちゃ不味い?
横尾
そう…じゃないけど
二階堂
じゃ、いいじゃん


なんとなく渉は俺を宏光から遠ざけたいんじゃないか?そう思ったから…

横尾
ちゃんと家に連絡を入れな
二階堂
分かっているよ
横尾
しょうがないな、もう


「はぁーっ」と大きく溜め息をつく、その姿を見つめながら「俺は絶対に離れない宏光の傍にいるって決めたんだ」

しかし、そのあと思ってもみなかった光景を目の
当たりにする事となる。

二階堂
ミツ、宏光!
横尾
ニカ、冷蔵庫に冷えピタが入ってるから持って来て、それと冷やしタオル
二階堂
分かった!
横尾
あっ、氷を入れた洗面器もね
二階堂
了解!


「俺は決して忘れない、そのときのミツの姿を」
そして誓ったんだ俺も宏光を護るって、絶対。





・横尾side

どうしても帰ろうとしないニカ、仕方がないから
了承したけれど。

二階堂
目を覚まさないね大丈夫かな?


本当は、このあと意識を取り戻したときの北山の姿を見せたくはなかった。

横尾
高林先生が家で休んでいればって
言ったんだから心配ないでしょ


本人だって、嫌だろうしさ。

二階堂
なぁ~渉?あの点滴
横尾
んっ?
二階堂
ほら高林先生が宏光にしてた
横尾
あぁ~ブドウ糖か何かじゃない?
二階堂
ふーん、そう


「横尾さん、いいですか」こっそりと耳打ちされた一時的に効く発情抑制剤を点滴しといたから暫くは大丈夫だと、ただし効果はあまり持続しない。

横尾
それより、もう遅いし寝よ
二階堂
俺、宏光の傍で寝る
横尾
はいはい、ふっ


(もって一晩、朝までか)

自分で北山が寝ているベットの下に布団を敷き横になる二階堂を見て胸が痛む。

(こいつは、その時どんな顔をするのだろ?どう思うのか大好きな兄貴の乱れた姿を見て)

二階堂
渉、電気を消してぇ~
横尾
はいよ
二階堂
おやすみ宏光、いい夢を見ろよ


正直いって自分でも自信がなかった、ちゃんと支えられるかどうかが、いや支えなければと思う絶対。

藤ヶ谷
北山、北山あぁーっ


今でも耳に残る、藤ヶ谷の悲痛な叫び声。あいつの代わりに、それだけじゃなく自分のためにも俺達には何があっても決してブレない絆がある、だから…二階堂お前も。

その寝顔を見ながら携帯のメール画面を開く「話すよ二階堂に、いい?」返事はなかった「寝ているのか?あいつの傍には千賀がついているはずだ頼んだよ藤ヶ谷のこと」心の中で呟いた、メンバー最年少の千賀に。

が、それは予想以上に早く訪れたんだ。

横尾
大丈夫、大丈夫だから、ねっ?
落ち着いて
二階堂
横になろ
北山
あ…あぁ‥あっ…ハァハァハァ、はぁ
二階堂
なに?水、水が欲しい、渉やっぱ変だ

これから何回、北山はこんな辛い思いをすることになるのだろうか?

(神様お願い北山を護って平穏な日々を与えてあげて、その為なら俺なんだってするから)