第19話

連鎖する性②藤ヶ谷side→千賀side
滝沢
分からないのか今は北山に
近づけるんじゃない


(滝…沢‥くん)

あの騒然とした場で、俺の理性は思考を無くし正確には記憶をなくしてしまい。

高林
気がつきましたか藤ヶ谷さん
藤ヶ谷
高林…先生


周りを見渡せば、そこは帝劇の楽屋の一室で俺は
ソファーの上で横になり。

千賀
ガヤさん、良かったぁ~ううっ、うっ


ツタンカーメンのような顔をした千賀が、傍で泣きじゃくっていてよ。

高林
どうやら落ち着いたみたいですね
藤ヶ谷
えっ


「あ、そう…か‥俺、ハッ!北山は」そう、ガバッと飛び起きたら。

戸塚
大丈夫、横尾がマンションへ
送って行った
藤ヶ谷
そう、ワッターが
五関
もうビックリさせないでくれ
藤ヶ谷
五関


改めてよく見れば、いるのは千賀と高林先生だけ
じゃなく。

河合
公演は中止になった
藤ヶ谷
‥‥‥


(だよ…な、あれだけ高林先生にも注意するように
言われてたのに俺は、よりにもよって舞台の上で)

高林
それより気分は如何です?安定剤を
打っておきましたけど
藤ヶ谷
えっ、俺そんなに酷かった?
河合
んだよったく暴れて大変だった
んだからな


(悪い…)

塚田
それにしても藤ヶ谷が、あんなに
パニクるだなんて
橋本
北山くんのことも驚いたけど
河合
お前には、もーっと驚かされた
五関
でも大したことなくて良かった
藤ヶ谷
えっ
塚田
北山だよ
戸塚
打ち身だけだって明日は休演日だし、ゆっくり休めば明後日には来れるって
藤ヶ谷
先生


コクンと、小さく頷く高林先生。

(そんなわけない、あれは間違いなくΩのヒート俺はそれに誘発されラットを起こした薬を飲んでいたのに発情してしまったのは、ハッ)

「そうです貴方が運命の番だからです」高林先生の眼がそう言っていた、だから抑制剤が効かなかったのだと。





・千賀side

それはガヤさんが目を覚ます少し前のこと、ニカが俺達のところまでやって来て。

二階堂
千賀、俺は宏光について行く
お前はどうする?
千賀
ガヤさんに
二階堂
分かった、後で連絡するな


(あの混乱の中で滝沢くんとワッターが交わしていた言葉の意味に、気づいた人はどれだけいたんだろ?たぶん殆どの人が気づいていなかったはずだ)

高林
大丈夫ですか独りで帰れます?
千賀
俺が一緒に行きます
河合
大袈裟だなぁ、あれだろ?パニックを起こしちゃっただけだろ
五関
それとは、ちょっと違う気が


(さすが五関くん勘が鋭い)

藤ヶ谷
いや、河合の言う通りさ
河合
ほれみろ


(ガヤさん、なんで?)

千賀
だけど着いてく
戸塚
いいんじゃない千賀がそう言うのなら
河合
まぁ…な
五関
良亮、帰ろう送ってく
橋本
うん
藤ヶ谷
みんな悪かったな
塚田
いいって、いいって気にしない
気にしない
藤ヶ谷
塚ちゃん、ふっ


(どうして誤魔化すんだよ?αだってバレたくないからか別にいいじゃん櫻井くんだってそうだし、うちの事務所けっこうαが多い滝沢くんや山下くん亀梨くん俺、知っている分かるんだαの櫻井くんを見て来たから。でもガヤさんもそうだとは気づかなかった、なんで隠していたんだろう?)

藤ヶ谷
ここでいいよ
千賀
けど
藤ヶ谷
もう落ち着いたし今は何ともない
千賀
‥‥‥


ガヤさんは、両親と兄弟の5人で暮らしている。

千賀
分かったイキなり行ったら、おじさんもおばさんも驚くしね
藤ヶ谷
心配かけて、ごめん


根は寂しがり屋のガヤさん家族と住んでいながらも俺達の家へ泊まり歩くことでも有名で、だから俺んちにも来たことがあった。

千賀
じゃ、また
藤ヶ谷
千賀


行きかけた俺に声を掛けてきたガヤさんに、クルッと後ろを振り返れば。

藤ヶ谷
本当に、ありがとな


そう言って寂しそうに笑い、その顔が気に掛かる「なにか、悩みがあるのなら聞いてあげたい俺では役不足だろうけどさ」

でも俺は、そこにミツが関係していただなんて思わなかったんだラットはΩのヒートにより引き起こされるものだという事も。