中庭へ出ると、ハーマイオニー、ロン、パンジー、ハリーがいた。
保護者と言いたくもないダーズリー家にサインが貰えず、最後の頼みのマクゴナガル先生にも断られてしまったハリー。
気にしないで、と言っていたけど残念そうに羨ましそうに見送る顔がチラチラと脳裏に現れる。
ハリーの事を気にかけているのを分かっているドラコは、そうか、と優しく手を握ってそれ以上何も言わなかった。
きっと彼なりの優しさなんだと思い、そのまま列車の窓の外を見つめるドラコの肩にもたれて目を閉じた。
三本の箒や、ゾンコのいたずら専門店などが並ぶお店の中で特に私の目を引いたお店。
窓から見えるキラキラと輝くエメラルド色のアクセサリー。
様々なアクセサリーが並ぶ中で、まるで乙女のような目で店の中を回るドラコに、好きに見ててと言い残し店主の元へ向かう。
ちょっと待ってくれるかな?と言い、店主のおじいさんは指輪を取りに行ってしまった。
なぜ僕に?という顔で眉間に皺を寄せて問いかけるドラコの後ろからおじいさんが戻ってきた。
リング部分は蛇になっていて、真ん中にはキラキラと輝くエメラルド。
まるでドラコのために作られたのではないかというほど、彼に似合うと感じた。
もう1つのリングは、エメラルドの方と同じくリング部分は蛇の形になっていて、宝石の部分は淡いピンクの宝石だった。
ドラコが何かを察したような笑みで私の方を向く。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。