ガタンッッッ
大袈裟に倒れる机とイス.
固まり退いていくクラスメイト.
なにも調子に乗っていないのに何故か調子に乗ったことにされているセリフ.
今までの場面でどう調子に乗ったか教えて欲しい.
ガタンッ
蹴り飛ばされるイス.
近づいてくる女子.
訳が分からない.
最後の台詞が言い終わると同時に腹部に強い痛みが走った.
思わず声が漏れる.
まだ完全な痛みが脳に追いついていないにも関わらず,右目にも衝撃が走った.
女子の笑い声だけが聞こえてくる.
ざわざわしてるだけで助ける気配もないクラスメイトもぼんやりと見える.
やっと完全な痛みが理解できるようになったのは,彼女達がわたしに飽きて教室を出ていった頃だった.
やっとの思いで立ち上がり,そのまま教室を抜け出し学校を出た.
どうして ...
どうして わたしはこんなんになってしまったんだろう.
感情も分からぬまま涙が溢れる.
このまま死にたい...
消えてしまいたい...
外を歩いているにも関わらず,その日は痛みもあったからだろうか,他人の目など気にせず号泣してしまった.
これが わたしの日常だった.
なにもかも壊れて崩れてズレている.
死んだ方が楽だと本当に心の底から思う.
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。