昼過ぎに珍しく
テレビをちょっとだけ観たわ
果物が煙草の害を
少し防ぐと言うの
それですぐこの間の
お店へ買いに急いだわ
御出掛けになるのなら
必ず召し上がってね
貴方はきっと外では
違う顔なのでしょう?
だから此の手は
其の疲れを癒す為だけに在るの
今朝の様にお帰りが
酷く遅い日も屡々
明け方の孤独には
ピアノで舞踏曲を
貴方はそっと
指先で髪を撫でるでしょう?
だからいま黒く
揺蕩うまま伸ばす理由は只ひとつ
処でこんな情景を
どう思われますか?
差し詰め勝手
気儘な嘘を云いました
態とらしい
空の色も全部疎ましくて
だから右手に
強く握る光など既に見えない…
「もう 何も要りません。」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。