そこへトイレから響が戻ってきて、
あなたの前に座った。
肩をひくつかせながら、
必死に泣き止もうとする。
だけど感情のコントロールが
上手くいかず、、、
気持ちとは逆に
涙がどんどん溢れてきた。
猛と響は心配そうに
顔を見合わせる。
海人の話しを聞いていた2人は
薄々勘付いていた。
きっと紫耀との間に
何かあったんだろうと。
そう言われあなたは
うなずきもせず、
首を横に振る事もしなかった。
その言葉に対しては
軽く一回うなずいた。
うなずくのもやっとな
あなたに対し、
これ以上話しが出来ないと
判断した猛は、
布団に横にならせた。
続いて猛も響も
横になる。
そこそこ有名になって、
そこそこ売れて、
そこそこなところで
音楽活動に終止符を打って、
そこそこな人生を
送るのかなぁーって。
猛と響は仰向けのまま、
あなたに向けてエールを送る。
どうか立ち上がる事が
出来ますように、、、
そう願いを込めて。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!