颯斗が関わっていないとわかり
猛が頭を下げた。
続いて響も
頭を下げた。
猛と響にそう言われ
頭をペコっと下げて
教室へと戻って行く颯斗。
そして猛は
とりあえずあなたに連絡をとろうと
電話をかけていた。
頭を抱える2人を見て
颯斗が戻ってきた。
そう言って猛と響は10組から
離れて行った。
2人はバタバタと屋上へ上がり
勢いよく扉を開けた。
ーーーーーあなたside
勢いよく開く扉の音がして、
猛と響の声がしだした。
ここにいるという事を
アピールしようと
ありきたりの力を出したが
すぐに止められる。
《後ろにいる誰か》から
《騒いだらどうなるかわかるな?》
と言われた。
それは聞き覚えのない
男の人の声。
そしてここは
陽の当たらないところ。
じっとして静かにしていたら
誰も気づかない場所。
もちろん猛と響も
そんなところにあなたがいると
思っていなかった。
そうしてまた2人は
屋上から出て行ってしまった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!