後退りするあなたに
海人は少しずつ近寄る。
わかってる。
昨日の海人は
お酒に酔っていただけ。
いつもの海人は
すっごく優しくて
笑顔も素敵で
何より仲間想い、、、
頭ではそれを
わかっているはずなのに
まだ、身体が海人を
拒んでいた。
頷く事も、
首を横に振る事も出来ず、
ただただ後退りをするあなた。
すると下がりすぎて
後ろのベッドにかかとが当たり、
ベッドの上に
尻もちをついてしまった。
その途端に
昨日の海人との記憶が
鮮明に蘇る、、、
次第に呼吸が荒くなり
自分でも上手く
息ができなくなるのがわかった。
息苦しさと恐怖と
何とも言えない感情が
あなたの苦しそうな呼吸と共に
紫耀の部屋に響に渡る。
あなたは紫耀のベッドに
倒れ込む、、、。
それでも呼吸を落ち着かせようと
必死だった。
たまたま隣の部屋から
顔を出した廉が
あなたの異変に気づく。
そう言いながら
リビングへと走る廉と、
帰ってきて
リビングに入ろうとしていた紫耀が
ちょうどはち合わせた。
廉はそのまま袋を取りに、
紫耀はカバンを放り出し
部屋へと向かった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。