第946話

piece912〜Live配信
2,296
2020/07/24 11:56



あなたの目の前で

バタバタと行き交うスタッフ。




そんなスタッフ達を眺めていると

人に酔いそうになった為、

壁に寄りかかり、

視線を下に落とし俯いていた。





あなた

タケちゃんおっそいな、、。





1人でいるのが気まずくて、

早く猛に戻ってきて欲しかった。





そんな時、

視線を落としていたあなたの目の前に

1人の人が静かに立ち止まる。





《大丈夫ですか?》

と声を掛けられるあなた。

どこか聞き覚えのある声だった。





スタッフかと思い、

急いで視線を上げ、

壁から離れ、姿勢を正す。




あなた

大丈夫、、です、、、、




視線をあげたあなたは

瞬時に色々と後悔した。





どうして

もっとトイレに

いなかったんだろう、、、






どうして

猛がトイレに行く事を

止めなかったんだろう、、、





どうして

今目の前にいる人が

私に気がついてしまうような

目立つ所にいたのだろう、、、






それと同時に

疑問も浮かんだ。





どうしてここにいるんだろう?





もしかしてまだ、、、






なんて嫌な事を考えてしまう。





平祐奈
平祐奈
どうして?って顔してる。



クスっと笑う彼女の前で

あなたの顔は引きつっていた。




あなた

あ、、えっと、、。

平祐奈
平祐奈
今日の歌番組、私ゲストで呼ばれてるの!番宣も兼ねてなんだけどね。
あなた

そうなんですね、、。

平祐奈
平祐奈
あれ?pieceも今日出るの?出ないって聞いてたんだけどなぁ。




そこはあえて

紫耀から聞いたと言わないのか、

それともカマをかけてきたのか、

今の状況からは読み取れないでいた。




あなた

急遽、出演が決まったんです。今日は宜しくお願いします、、。





頭を下げてその場を去ろうとした時




平祐奈
平祐奈
ねぇ、知ってる?




そう言われ、

去ろうにも去れずにいた。



あなた

えっと、、何の事ですかね、、?

平祐奈
平祐奈
昨日のLive配信。
あなた

Live配信、、?




全くもって心当たりが無く、

どう答えていいか戸惑っていた。



平祐奈
平祐奈
私の昨日のLive配信。観てくれたらいろいろと面白い事が発見出来ると思うの。
あなた

そうなんですね、、!

平祐奈
平祐奈
本番までの間、空き時間あるでしょ?そんな長い物じゃないし、観てみてよ。
あなた

あ、、はい。わかりました。

平祐奈
平祐奈
約束だよ?後で観たか聞くからね?




そしてじゃあね〜と手を振りながら

スタッフが行き交う中に紛れ込んで

すぐに見えなくなった。







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