第575話

piece567〜俺の隣で
3,591
2019/09/02 03:46






突然手を握られ驚いたのと、

それと同時に紫耀の温もりが

伝わってきた。







平野紫耀
平野紫耀
あなたと初めてぶつかった日の事、覚えてる?
あなた

覚えてるよ!あのスタジオ初めてで、嬉しくってクルクル回ってたらぶつかったよね(笑)

平野紫耀
平野紫耀
そうなの?笑




紫耀はあなたらしいと

笑っていた。






平野紫耀
平野紫耀
今思うとさ、俺らあそこでぶつかってなかったら、こうしてないわけじゃん?
あなた

確かに。あそこで話さなかったら、お互いテレビの中の存在だったかも。

平野紫耀
平野紫耀
だろ?あの日、1時間スタジオ入りが早かったらとか、1分家を出るのが遅かったらとか、1秒長くメンバーと話してたら会えなかったかもしれないって思うと、ホントに良かったって思うんだよね。
あなた

そんな、おおげさだよ(笑)

平野紫耀
平野紫耀
おおげさに聞こえるけど、俺はあの日あの場所で、1分1秒たりともズレなくて良かったって思う。




そう言って

片手で触れていたあなたの手を

紫耀の両手で包み込む。






平野紫耀
平野紫耀
俺さ、近くであなたを見て感じて触れて、、、1番に応援したいって思ってた。恭平がいたから、自分でも気づかないうちに、気持ちに自然とブレーキがかかってたのかもしれない。
あなた

うん。

平野紫耀
平野紫耀
恭平とあなたが付き合ってる事知ってたし、その2人の関係を壊そうなんて思ってなかったし。いやそれ以前に自分の気持ちに気付いてなかった。
あなた

紫耀の気持ち、、?





紫耀は黙り込んだ。






深呼吸をし、

自分の気持ちを落ち着かせる。





平野紫耀
平野紫耀
俺、、この手であなたを守りたい。泣きたい時や辛い時はこの手で支えたい。それから、、嬉しい時はこの手で思いっきり抱きしめたい、、。




紫耀の手に

自然と力が入るのを感じた。





平野紫耀
平野紫耀
あなたの事が好きで好きで、、、あなたの事がたまらなく愛おしく思える。俺アホってよく言われるし、頼りないって思われてるかもしれないけど、あなたの事を想う気持ちは誰よりも負けない自信がある。俺の隣で、、、一緒に歩いてくれませんか?





紫耀の表情は見えないが、

紫耀の気持ちは伝わってくる。








それと同時に思い浮かぶのは

恭平の顔だった。








この時あなたは気付いた。

恭平が言っていた事の意味。






賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
あなたは大丈夫。俺の事を忘れろなんて言わないけど、、、あなたは前に進め。




恭ちゃんはわかっていたんだ。






私がきっとこの先誰かと

付き合うだろうって。








私が恭ちゃんを想って

前に進めないことがないようにって、

それで夢に会いに来てくれたんだね。







だから私にはあって、

恭ちゃんには無いもの、

それは未来だって、、、

夢にまで出てきて

伝えに来たんだね。








そう思うと涙が出て

止まらなかった。








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