あぁーいつも
側で見てくれてたんだなって。
昔からこんな感じで
微笑んでくれてたんだなって。
あなたはこらえきれず流れる涙を
振り払うように
最後の最後まで歌い続けた。
確かに恭ちゃんは
そこにいる。
ギターの側で
こっちを見てる。
泣きながらピアノを弾く私に
恭ちゃんが言った言葉、、、
《ありがとう、、大好き》
そして
《さよなら》
そう言った恭ちゃんの目からも
涙が溢れていた。
それは私が1番聞きたくなかった言葉。
恭ちゃんが1番言いたくなかった言葉。
切ないくらい
愛してたよ、、、
想うのが怖いくらい
愛していました。
痛いくらい
愛してる、、、
今もこれからも。
《大好き、、忘れない》
そう伝えると恭平は
微笑みながら
でも涙を流しながら
寂しそうに背を向けた。
そしてピースサインを振りながら
姿を消していった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。