紫耀が両手であなたの頬を包み
涙を拭きあげる。
あなたが服を取ろうと
ベッドから出ようとした時、
ーーーーードンドンドンドン!!
とドアのなる音が響き渡り、
バンっ!と勢い良くドアが開かれた。
紫耀は布団の中に潜る
あなたの事を指差す。
そして響は部屋を出て行った。
すねるあなたにキスをする。
紫耀の読み通り、
キスをすると、
怒りながらも許してくれた。
急いで制服を着て
ベッドに横になる紫耀の元へと
戻ってくるあなた。
あなたは紫耀にキスをすると
バタバタと部屋を出て行った。
今日は卒業式前日。
式の最終確認や、
持ち帰るものの準備などで
授業という授業はほとんど無かった。
その為4限目は
全クラスで大掃除となっていた。
あなたが窓ガラスを拭いていると
肩をトントンと叩かれる。
振り返ると颯斗の背中が見えた。
颯斗は振り返りもせず、
歩きながらあなたに向かって
手招きをしていて、、、
そんな颯斗を目で追っていると
屋上に行くのが見えた。
あなたは時間差で
皆にバレないように
屋上へと向かった。
昨日話していた影の場所に
颯斗は座っていた。
そう言いながらも
あなたは颯斗の隣に座った。
そう言って笑うあなたを
横目でチラッと見て、
それからまた前を向いた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。