肩で息をしながら
紫耀に背を向けてうずくまるあなたを
後ろからそっと抱きしめる。
背中越しでもわかるほどの
大きなあくび。
紫耀は後ろから
あなたの頬をつねった。
焦る紫耀に笑いながら
またあくびをするあなた。
そう言っているうちに
だんだんと規則正しい呼吸が
聞こえてくる。
やがてそれが
寝息となって
聞こえてきた。
あなたが寝返りをうち
向かい合わせになる。
寝ていたあなたは
もちろん紫耀の問いかけに
答えることもなく、、
そのかわり
口をもぐもぐとさせていた。
そう言いながら
あなたの頭を撫でる。
くすぐったそうに
首をすくめるあなた。
寝ていて起きないあなたに
そっとキスをすると
そのまま抱きしめて
眠りについた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。