ーーーーーあなたside
もう《ツナグ》は
一生歌えない、、、
いや、歌わないと思っていた。
でもそれが歌えるの?
しかも、恭ちゃんの歌と演奏もある。
あのボイスレコーダーの
再生ボタンを押せば
恭ちゃんの声が聴ける。
あのボタンを押せば
あの頃の恭ちゃんに会える。
そう思うと、嬉しかった。
でもそれと同時に思った。
また恭ちゃんを
追いかけたくなるんじゃないか。
また恭ちゃんを想って
泣く日々に戻るんじゃないか。
それ以上に
ファンの方の前で
恭ちゃんの声を聴きながら
恭ちゃんの弾くギターを聴きながら
自分が上手く歌えるのか、、、
きっと歌えない。
声が出ない、、、
気持ちが追いつかない。
《ツナグ》を歌うには
まだ覚悟が足りない。
アンコールで歌う事は
とってもいい考えだって
そう思うけど、、、
ごめん。
ごめんなさい。
今の私だと
アンコールで歌える自信がない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。