第856話

piece830〜後退り
2,573
2020/05/29 08:15



ーーーーー紫耀side




朝のあなたの様子が

気になってはいたが、

連絡をする時間もなく、

夜遅くまで仕事に明け暮れていた。






やっと終わった頃に

スマホを見ると、

あなたからメッセージが

届いていた。




平野紫耀
平野紫耀
はは(笑)なんだこれ。笑



前髪をちょんまげみたいにして結び

えーんと泣いている仕草の自撮り。





そして画像の下には

《早く帰って来てね》と

書かれてあった。




平野紫耀
平野紫耀
これ見たら安心した、、。



《今から帰る》と

メッセージを送ると

紫耀はスマホをカバンに入れ

帰り支度をし始めた。






ーーーーーあなたside







紫耀の部屋の机で

歌詞を書いていたあなた。





あなた

あー、、頭が働かない。




うつ伏せた時に

目の前にあったスマホを見ると

ちょうど紫耀からの

メッセージが入っていたことに

気がついた。




あなた

わ、、だいぶ前にきてたんだ、、。もう帰り着く頃かな?




そう思って、

リビングに行こうと

紫耀の部屋を出るあなた。





こういう時に限って

顔を合わせたくない人と

顔を合わせてしまう、、、。




髙橋海人
髙橋海人
あ、、あなた。あのさ、、



まだ海人と話す

心の準備が出来ていなかったあなたは、

咄嗟にドアを閉めてしまった。




髙橋海人
髙橋海人
ちょっ、、待って!



完全に閉まりきる前に

海人の足と手が

ドアに挟まるようにして

入ってきた。




あなた

やだ、、離して、、っっ!

髙橋海人
髙橋海人
話そ?ゆっくり話しがしたい、、。



そう言って海人が

グイッとドアを開けた。





今あなたの目の前にいるのは

いつもの海人のはずなのに

なぜか恐怖で

身体がすくんでしまう。




あなた

海人、、ごめ、、私まだ、、。

髙橋海人
髙橋海人
俺の事、、怖い?



悲しそうな目で

見つめてくる海人。




あなたは無意識のうちに

少しずつ後退りをしてしまっていた。






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