第966話

piece932〜いくら細くても
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2020/08/13 01:00



あなたは片手で服の裾を持っていたが、

廉の方へと寝返りをうち、

両手で握り締める。





そして廉の細い身体に

オデコをくっつけた。




あなた

何で、、ねぇ、何で、、?




あなたは顔を伏せたまま、

廉服を引っ張った。




永瀬廉
永瀬廉
1つずつ言うてみ?



そんなあなたに

優しく声をかけながら、

廉は自分の両腕を

自分の頭の下に入れ枕にし、

天井を見上げていた。




あなた

何で、、紫耀に貸した膝掛け、、あの人が持ってるの?

永瀬廉
永瀬廉
せやな、、それから?



優しく柔らかい声が

あなたに降り注ぐ。




あなた

何で紫耀のアクセサリー、、あの部屋に、、あるの?

永瀬廉
永瀬廉
うん、、他は?



1つずつ、、、

少しずつ、、、






あなたは話していった。





あなた

小物も、、何であの人の部屋にあるの、、?

永瀬廉
永瀬廉
うん、、もっとあるやろ?




1つずつ、、、

少しずつ、、、





廉はあなたの思いを

言葉にさせていった。



あなた

何で、、何で、、、

永瀬廉
永瀬廉
何で?
あなた

何で、、今日から泊まりがけって、、、あの人が知ってるの、、?




廉の服を掴む手に力が入る。




それと同時に

あなたの流した涙が

廉の服を濡らしていった。




あなた

何でよ、、何で、、、。




廉のお腹に

あなたの握り拳が何度も当たる。




いくら細くても

あなたの握り拳ぐらい

簡単に受け止められる。




身体も心も

廉が男らしいと思った瞬間だった。



永瀬廉
永瀬廉
その事、ちゃんと紫耀に聞いたん?



あなたは首を左右にふる。




永瀬廉
永瀬廉
せやな、、聞いてたらこんな悩まんわな。




今まで鼻をすすりながら

泣いていたあなたも、

こらえきれずに

声を出して泣き出した。





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