第1044話

Not Honest but I❤️U
1,986
2021/02/06 00:08



Not Honest But I Love You...

SHO ver.






一緒に暮らしだしてもう2年が経つ。

デビューしてからのこの数年は

特に忙しくて、

家に帰ってきてもご飯を食べて

お風呂に入って眠るだけ、、、

そんな日々が少なくなかった。




それでも最初の頃は

《帰ってあなたがいてくれるだけで頑張れるわ》

そう言ってくれていた。




この言葉を言われた私も

そう思ってくれているなら、、、

と寂しい時間も乗り越える事ができていた。





だけど最近は、、、




あなた

おかえりなさい。ご飯は、、?

平野紫耀
平野紫耀
あー、うん。いらない。
あなた

そっか、、お風呂沸いてるよ!

平野紫耀
平野紫耀
早く寝たいし、シャワーでいいわ。



こんな素っ気ない会話しか

しなくなっていた。





腫れ物を触るかのように、

紫耀に話しかける毎日。

紫耀が寝室に行くまでは

大人しくしていて

行ったと同時に片付けだす。



あなた

あーあ、、今日も食べてもらえなかったな、、




明日自分で食べようと

ラップをかけ冷蔵庫にしまい

お風呂入ってから

静かに同じベッドに潜り込んだ。




もう触られるのも嫌なのか、

こちらに背を向け壁側を向いて寝ている。




そんな紫耀に背を向けた状態で

静かに目を閉じた。




ーーーーー次の日




朝起きるとそこには紫耀の姿はなくて、、、

ホッと胸を撫で下ろす自分の気持ちに

気がつく。




ぼーっとしながら

ふとカレンダーに目を向けると

今日が節分の日だという事に気がついた。




あなた

恵方巻きでも買いに行こっかな、、




自分の分と、、、

きっといらないって言われるだろうけど

紫耀の分も。

そして豆をまく気分でも無かったが

豆も買ってきた。




案の定帰ってきて言われたのは

《いらない》のたった一言。

今日も目を合わせずに

そう言う紫耀に向かって

あなたは思いっきり豆を投げつけた。




平野紫耀
平野紫耀
痛っあ、、いきなり何?鬼のお面までかぶって何やってんの?マジでないんだけど。
あなた

今日節分だから、、

平野紫耀
平野紫耀
俺は疲れてんの。マジで勘弁して。
あなた

疲れてるのは仕事で?それとも私と付き合う事に対して?

平野紫耀
平野紫耀
は?お前何言って、
あなた

いんだよ?出てけって言ってくれて。

平野紫耀
平野紫耀
何でそうなんだよ。
あなた

帰ってきても会話もない、触れるのも嫌がられる、私の存在自体が紫耀のストレスになってるなって、、最近感じるから。だから、、




《別れよう?》

最後のその一言を言おうとした瞬間に

抱きしめられた。



平野紫耀
平野紫耀
ストレスだなんてそんな事、、俺思ってねぇから。
あなた

嘘だ、、絶対嘘。

平野紫耀
平野紫耀
ごめん、、確かにイラついてたのは事実。仕事でいろいろあって、あなたに八つ当たりしてしまってた。ごめん、、



鬼のお面を取ろうとした紫耀の手よりも先に

あなたの手がお面を抑える。



平野紫耀
平野紫耀
顔見せて?
あなた

やだ、、

平野紫耀
平野紫耀
お願い。
あなた

やだ、、

平野紫耀
平野紫耀
じゃあそのままでいいから聞いて?




紫耀はそう言って話し始めた。




平野紫耀
平野紫耀
そんな悲しい顔させてごめん、、俺あなたの優しさに甘えてた。あなたは何があっても絶対俺の側から離れていかないって思ってて、、でもあんな冷たい態度とられたらそりゃ嫌になるよな。八つ当たりとかかっこ悪、、本当にごめん。



そして紫耀は

あなたの持っている豆を手に取ると

自分に向かって投げ始めた。




あなた

え、ちょっと紫耀?何やってんの、、?

平野紫耀
平野紫耀
俺の中の黒い鬼を追い出してんの。



びっくりして紫耀を見つめていると

静かに鬼のお面が外された。

そこで重なる紫耀との視線。




何ヶ月ぶりだろう、、、




こうして目が合った事さえも嬉しくて

また涙が溢れてきた。



平野紫耀
平野紫耀
鬼は〜外。あなたは〜内。
あなた

私、、ここに、、居ていいの?

平野紫耀
平野紫耀
居ていいの?じゃなくて、居てください。これは俺からのお願い。



くしゃっとした笑顔で

好きという言葉を言われ

好きという言葉をかえし

どちらともなく重なる唇。





歳の数だけ豆を食べ願うのは

《これからもずっと一緒にいれますように》

これ以上何も望まない。ただそれだけ。







プリ小説オーディオドラマ