第207話

piece205〜自分を犠牲にしてでも
6,188
2020/04/18 23:03



もう日付けが変わろうとしていた頃。





玄関のドアを開けると

物音1つしないリビングに

明かりがついているのが見えた。






駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
ただいま。
星野響(ほしのひびき)
星野響(ほしのひびき)
おかえり、、、!
あなた

恭ちゃんは、、、?!




ソファーから立ち上がった2人に

猛は座るように促す。




そして、猛は2人の向かい側に

静かに座った。







King & Princeのメンバーは

ダイニングテーブルの椅子に座り

様子を見ることに。




駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
響、あなた、、、恭はやっぱりあの殺傷事件に巻き込まれてた。
あなた

え、、、?!

星野響(ほしのひびき)
星野響(ほしのひびき)
それじゃあ恭ちゃんは、、、?!
駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
2人とも、ちゃんと最後まで聞いてくれるか?聞けるか??
星野響(ほしのひびき)
星野響(ほしのひびき)
タケちゃん、ちゃんと聞くから。全部説明して?
あなた

私も、、、聞きたい。

駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
わかった。なら俺が聞いた事、見たもの、全て話すな。



猛は大きく

深呼吸をした。




駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
恭平は次々と人が刺されていく中で、母親が刺された5歳の女の子をかばったんだって。それで犯人を逆なでしてしまったみたいで、、、犯人は恭の背中を35カ所も刺した。
あなた

35カ所?、、、え、35?!

駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
そうだ。周りの勇気ある乗客が犯人を取り押さえてくれてる間に、偶然乗り合わせた看護師が恭の傷口を抑えててくれたらしい。それが無ければ100%助かってなかったって。
星野響(ほしのひびき)
星野響(ほしのひびき)
てことは、恭ちゃんは生きてるってことでしょ?
駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
生きてる、、、いや、生きようとしてる。
あなた

どうゆうこと??

駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
手術をして、とりあえずは生きてるけど、いつ何があってもおかしくないって。
あなた

ウソ、、、ウソだ。そんなことない。絶対ない!!恭ちゃんじゃない!!絶対違う!!!

駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
あなた、俺もそう思いたかったよ。何度も思った。何度も否定したし、何度も何度も目をそらしかけた。
あなた

だって、、、

駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
でもな、恭は生きてんだよ。必死に生きようとしてたんだ。顔も身体も傷だらけでチューブまみれだったけど、必死にこっち側に戻ろうとしてんだよ!



あなたはボロボロ泣きながら

猛の話しを聞いていた。





駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
俺らが信じねぇで、誰が恭を信じて待っててやるんだよ?
あなた

でもなんで?!なんで5歳の女の子なんてかばったの?!そのまま動かなかったら良かったじゃん!!!!!

駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
俺もそう思った。ホントに自分最低と思うけど、、、やっぱ恭サイドからしたらそう思ってもおかしくないよな。でも恭は優しいから。
あなた

優しいからって、自分の命までさしだす?!

駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
そうじゃない。
あなた

結果的にそうじゃん!!!

駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
恭は自分を犠牲にしてでも、守りたいって思うやつだろ。



猛にそう言われて

あなたは思い出した。







《何かを犠牲にしてでも

大切なものを守りたいと思う?》





と前にあなたが聞いた時、





《もしも犠牲になるものが、

自分以外のものだとしたら、、、

俺は両方を全力で守れる方法を考える。

でもその犠牲になるものが俺だったら、、、

俺は自分を犠牲にしてでも

大切なものを守りたいと思うかな、、、》





そう恭平は答えていた。




あなた

バカ、、、!恭ちゃんのバカ、、、!

星野響(ほしのひびき)
星野響(ほしのひびき)
あなた、、、。



響はあなたの背中をさすった。




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