第952話

piece918〜《絶対》や《ずっと》
2,157
2020/07/29 09:19




何も聞こえなくなったスマホを

耳から離すと、

ゆっくりと机の上に置いた。





顔を上げると

そこには当たり前のように

猛と響がいて、、、





こうやってあと何年

pieceを続けて行けるのだろう





願うなら

ずっとずっと

このまま一緒に続けたい、、、





そう思っていた。





でもこの世の中に

《絶対》



《ずっと》

が無いんだという事を

あなたが1番よくわかっている。





廉に言われた事を素直に喜べずに

そんな歪んだ事を思ってしまう自分に

あなたは嫌気がさしていた。





星野響(ほしのひびき)
星野響(ほしのひびき)
あなた、チューナー使う?
あなた

うん、、今日は一応使っとく。

星野響(ほしのひびき)
星野響(ほしのひびき)
うん、俺もその方がいいと思った(笑)




いつもは耳で聴いて合わせる

ベースの音も、

どこか不安定で、、、





今のあなたの心を

表しているような、、、




そんな感じだった。


星野響(ほしのひびき)
星野響(ほしのひびき)
はいよ、チューナー。
あなた

ありがと。

星野響(ほしのひびき)
星野響(ほしのひびき)
チューニング終わったら一旦合わせとく?
あなた

そうだね、、この曲久しぶりにするからちょっと不安。笑

星野響(ほしのひびき)
星野響(ほしのひびき)
オッケー。終わったら教えて!
あなた

了解。




あなたは1つずつ

丁寧にチューニングをしていった。




だけどなかなか合わせる事が

出来なくて、、、




そんな様子を

離れた所から見ていた猛と響は

2人で顔を見合わせていた。




見かねた響があなたに声を掛ける。




星野響(ほしのひびき)
星野響(ほしのひびき)
貸してみ?俺がチューニングするから。
あなた

あ、、うん。ごめん、、ありがと。

星野響(ほしのひびき)
星野響(ほしのひびき)
何その業務的な言い方(笑)
あなた

え?そんな感じだった?笑

星野響(ほしのひびき)
星野響(ほしのひびき)
うん、とってもそんな感じ(笑)
あなた

ごめんごめん(笑)




そう言いながら

あなたは響にベースを渡す。




響はあなたの代わりに

チューニングをすると、

あなたにベースを返した。





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