Not Honest But I Love You...
REN ver.
プツッと切られる電話。
家に行っていいかどうかを
電話した返事がこれ。
そう思うことが増えていった。
もともとキツい口調に聞こえる事もあったが
こうもストレートに断られ続けると
泣きたくなる。
問いただす事すら許されず
割り切るしかなかった。
廉との距離が徐々にあいていくのを
感じていたある日
会社の先輩や同僚達と急に飲み会になった。
もちろんいつもなら廉に一言伝えて
行っていたけど
今この冷めきった状況で言うのも
なんだかな、、
そう思い、
連絡を入れずに飲み会へと参加した。
どれぐらい飲んだのだろう。
いつもよりペースが早く、
いつも以上にアルコールを摂取した為、
店を出る頃にはもうフラフラ。
周りから心配される中
千鳥足で店の外へと出るあなた。
先輩に支えられながら
やっとのことで歩けていた。
《彼氏》このワードがでて
廉の存在が頭によぎる。
彼氏と呼んでもいいのだろうか、、
このまま自然消滅じゃないか
という状態なのに。
先輩を押しのけるようにして
腕を引っ張ってきた。
ただ無言であなたの手を引き
そのまま車に乗せると
無言のまま車を走らせた。
素っ気ない態度を取ってたのは廉じゃん。
会ってくれなかったのは廉じゃん。
言いたい事は山ほどあるが
言う勇気がなかった。
言ってしまうともう終わりな気がして、、
好きだからどんなに冷たくされても
まだ別れたくなかった。
涙をこらえながらそう言うのが精一杯で、、
気づけば外の景色も
涙で歪み見えなくなっていた。
それから無言のまま走り続け
車が停まる音がした。
よく見ると全く知らないところに
停められている。
そんな言葉なんて
聞こえていなかったかのように
あなたの手を引き
足早にマンションへと入っていく。
オートロックを解除し、
エレベーターに乗り
そして知らない部屋に入れられる。
玄関の鍵をかけ
廉はあなたを思いっきり抱きしめた。
改めて抱きしめてくれた
廉の腕の中は暖かくて
やっぱり居場所はここしかない、
あなたはそう思った。
「好きやで?」
廉はそう言って顎を持ち上げると
あなたにそっとキスをした。
そしてキスをしながら
何かを思い出したかのように
目をパチっと開く。
2人は笑い合いながらもう一度唇を重ねた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。