目が覚めると
そこには現実が待っていた。
何時間寝たのかわからないが、
外はもう暗くなっていた。
自分の頬を
肩を、腕を触りながら
恭平の温もりを確認する。
でも、もうそこにはいなくて、、、
あれが夢だったんだと
痛感させられた。
ふと窓の外に目をやると
夜空に浮かんでいたもの、、、
あなたは首からかけている
指輪を手に取り、
輪の中に三日月を入れてみた。
指輪の中にすっぽりと入る三日月は
満月になった。
ーーーーーガチャッッ
玄関が開く音がして、
誰かが入ってきた。
玄関から声がして
廉と海人が帰ってきたのがわかった。
そして海人が
リビングの電気をつけた。
廉と海人は
顔を見合わせる。
あなたは自分の頬の
涙をぬぐった。
そう言いながら
あなたは窓の外の
三日月を見上げた。
あなたはあえて
恭平の両親と会った事を
言わなかった。
海人は廉の背中を押しながら
リビングを出て行った。
またリビングに1人になったあなた。
そっと両手を合わせる。
海人からもらった
差し入れを食べる。
噛めば噛むほど
涙が出てくる。
廉と話さなければいけないのにとか
紫耀にどんな顔をして
会えばいいのかなとか
様々な感情が
頭をよぎっていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。