髪を乾かし終わり、
紫耀はいつもと反対側に
あなたを寝かせる。
そう言いながら
自分の頬を指差す。
紫耀は笑いながら
あなたを抱き寄せた。
紫耀があなたの背中を
トン、トン、トン、、、とする。
あなたは紫耀の胸に
顔を埋めたまま
両手で紫耀の服の胸のあたりを
ギュッと掴んだ。
そう言って紫耀は
あなたが眠るまで
トントントンとしていた。
静かな夜。
どうしても不安で
しょうがなくなる時がある、、、。
月の満ち欠けに
関係するのかしないのか
それはわからない。
だけど
言葉じゃ言い表せない不安が
押し寄せてくる、、、。
そんな日もある、、、。
ーーーーー紫耀side
あなたにトントンとしながら
いつの間にか
自分も眠ってしまっていた。
あなたに腕枕している左手。
何度か目覚めては
あなたがちゃんと
隣で眠れているかを
確認していた。
何度目かに目覚めた時
少し違和感を感じる。
暗い部屋の中
手探りだけで、
状況を把握しようとしていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!