シーツをギュッと
握りしめるあなたの手を、
紫耀の手がギュッと
そしてそっと包み込む。
親指であなたの手の甲を撫でると、
手をくるっとひっくり返し
紫耀の指に細い指を絡めてきた。
それが何とも言えないぐらい
愛おしく思えて、、、
紫耀は軽々あなたを抱き上げながら
一緒にベッドに倒れ込む。
するとあなたは
すぐに布団にもぐり込み
うずくまってしまった。
布団をかぶって顔を隠していて
表情が見えない。
紫耀が布団をめくり中に入り
うずくまるあなたをそっと抱きしめる。
その瞬間あなたはピクッと反応し
もっと小さくなった。
背を向けるあなたの肩を持ち
自分の方へと向け、
キスで言葉を遮る。
裸の紫耀の胸に
抱きしめられるあなた。
肌で感じるお互いの体温。
紫耀の胸の鼓動が
そして音が、
あなたに直接伝わってきた。
そう言って
あなたが顔を上げようとしたら
それを阻止された。
恥ずかしくてドキドキしていたのが
自分だけじゃなくて
紫耀もなんだと思うと
あなたは嬉しくて、、、
また紫耀の胸に耳を当て、
鼓動を全身に感じた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。