ーーーーーあなたside
お風呂から上がり、
リビングへ入ろうとした時
中で話している会話が聞こえてきた。
ドアノブにかけた手を
そっと離すあなた。
そして静かに紫耀の部屋へと
入って行った。
静かすぎるぐらい静かな部屋には
腕時計の秒針でさえ
ハッキリと聞こえるくらい。
あなたの大きなため息も
すぐに静かな部屋へと
消えてしまう。
紫耀の机の上にうつ伏せるあなた。
そのまま目を閉じると、
いつの間にか
眠ってしまっていた。
何かに吸い込まれるような感覚
そして誰かに呼ばれる声で
目を覚ましたあなた。
何で?
と聞こうとしたが
ここが夢の中だという事に
気づかされる。
そして足を動かそうとしても
動かなかった。
恭平はため息まじりに言った。
恭平はトントンと
自分の頭をこづいた。
そして今度は
胸をトントンとした。
恭平は遠い向こうを見ながら言った。
鼻を触りながら笑う恭平。
そんな姿を見ると
胸が締め付けられた。
そして恭平は
あなたに向かって両手を広げた。
その言葉を信じ、
一歩、、また一歩と
恭平に近づいて行く。
そう言う恭平に抱きしめられながら
暖かい光に包み込まれる感覚に
落ちていった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。