紫耀はゆっくりとあなたに近づき
オデコにキスをする。
あなたはぎゅーっと閉じていた目を
ゆっくり開けた。
紫耀にくるっと背中を向けたあなた。
背を向けるあなたに
紫耀は右手をまわし、
優しく抱きついた。
あなたはもう一度
紫耀の方へと向き直った。
そう言って恥ずかしがる紫耀に
今度はあなたが
右頬にキスをした。
あなたは紫耀の心臓の音を聞きながら
目を閉じた。
そして、次第に深い眠りへと
落ちていった。
しばらくして、あなたの寝息が聞こえだす。
何も反応が返ってこない為
寝た事が確認出来た。
抱きしめていたあなたから
ゆっくりと離れる。
さっきの寝顔とは違い、
柔らかい表情で
目を閉じ、寝息を立てるあなた。
紫耀があなたにキスをしたのは
もちろんあなたの事が
好きだからであって、、、
でも付き合ってもないのに
いきなり口にしてしまったら
チャラいとか思われても嫌だから
オデコにしただけであって、、、
あなたは何を思って
ほっぺにキスをしてきたのだろうか。
考えたら気になりだしてしまうと思い
紫耀も目を閉じた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。