コンビニで買い物を終えて、
早歩きで歩く紫耀。
紫耀に手を引かれているあなたは
無条件でそれについて行かなければ
ならなかった。
いつもならあなたの歩幅を
気にしながら歩いてくれて、
《大丈夫かな?》と
言葉には出さないけど
気にかけてくれているのが
見ていてわかる。
でも今は違った。
紫耀は平気なフリを
していただけで
ホントはまだ
すっごくすっごく
怯えてたんだ、、、。
立ち止まりうつむく紫耀の顔を
あなたは覗き込んだ。
いつものクシャっとした笑顔で
笑う紫耀。
やっと心から
2人で笑い会えた。
それが今の私たちにとって
1番の幸せなんだ。
リビングのドアを開けると、
まだ皆食べている最中だった。
ジンが座っていた所は
1番端っこ。
そして隣は廉だった。
廉とハイタッチをするあなた。
廉の視線の先を確認するあなた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。