ようやく少し落ち着きだしたあなた。
猛のその質問にあなたは頷いた。
楽屋から出ようと
ドアノブに手をかけた時、
外側からドアを引いて開けられた。
目の前には
今1番会いたくなかった人、、、
目を合わせる事すら
出来ずにいたあなた。
それだけ言うと
サーっと紫耀の隣を
通り過ぎようとした。
もちろんそのまま帰すわけでもなく
紫耀が腕を掴む。
そこに廉が割り込んできた。
そう言って寂しそうに離す紫耀の手は
やり場のない想いを握りしめていた。
紫耀に手を離された途端に
パッと楽屋の外へと
飛び出すあなた。
その後を廉と響が追う。
そして岸と猛も
あなた達の後を追った。
楽屋から出て少し廊下を歩くと
響だけが立っていて
岸と猛の事を待っていた。
猛はため息をつきながら
響と岸と一緒に
楽屋へと戻って行った。
ーーーーー廉&あなたside
廉は見ていられなかった。
腫らした頬、
無言のまま流れる涙、
疲れ切ったあなたの顔、、、
先に帰ろうと言ったものの
このまま連れて帰っても
何も解決しないと思った。
だから連れ出した。
あなたは何も抵抗せず
廉に手を引かれ
その後をついて行く。
もちろんその質問に
無言のままのあなた。
嫌がっていない事を確認すると、
廉はそのまま手をひいて
あなたをある場所へ連れてった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!