あと少し、、、
息がかかるぐらい
近くまできて
あとほんの数センチの距離に来た時
廉は目を開けた。
そこには静かに眠る
あなたの顔。
そこには大好きな
あなたがいる。
でも
今ここでキスをして、
そして、、、
それから先は?
廉はあと一歩のところで
踏みとどまった。
キスをして、
幸せな気持ちよりも
罪悪感で満たされる心が
想像できてしまったから。
そしてちょうどその時
あなたの目から
涙がこぼれた、、、
この直後に
紫耀からの電話が
かかってきていた、、、。
そして電話を切った廉は
あなたに向かって
何度も何度も謝る。
涙を流しているあなたを見てまうと、
自分自身が醜く見えてくるねん。
好きになってホンマにごめん、、、
それから
嫌いになれんくてホンマにごめん、、、
なんでこんな
あなたの事好きなんやろ、、、
人のモノってわかると、
手に入らないってわかると、
欲しくなるんかな、、、?
そうやない。
あなたの人柄
あなたの笑顔
あなたの歌声
あなたの存在
優しさ、強さ、弱さも全部、、、
全部を含めて
好きになったんや。
廉は頭を抱えた。
いや、、、
変わるはずがない。
君の存在がこの世にある限り、、。
生まれ変わったとしても、
僕はまた君に恋するんだろう、、、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!