そこへ猛が戻ってきた。
猛は編集したてホヤホヤのデータを
機材に読み込ませ
ドラムの椅子に座った。
猛がリモコンのスイッチを押すと
カウントが4拍入る。
そして4拍のあとから
あなたはピアノを弾きだした。
メトロノームの音が消えると同時に
猛のドラムが静かに入る。
そして響と恭平の
アコースティックギターが
絶妙なバランスで
奏で始めた。
あなたの歌声が響く中で
時折、恭平のハモリが入ってくる。
たまに込み上げてくる感情を
こらえながら、、、
それでもやっぱり抑えきれずに
それが涙となって溢れ落ちた。
決して広くはないこのスタジオ。
でも演奏しているうちに
コンサートのステージに
立っている気分になった。
もちろん恭平も含めて
4人で、、、。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。