苦しくて
でも動かなくて、、、
目を覚ますと
紫耀から抱き枕にされている事に
気がついた。
紫耀の筋肉質な腕と足を
順番にどかすと、
開放感を感じる。
今日は学校も休み。
ゆっくりと起き上がると
紫耀の机の上にある
紙とペンが目に入った。
書きかけてそのままで
寝てしまった事に気づく。
そして紫耀を起こさないように
そっとベッドを抜け出した。
いろいろ済ませてから
歌詞を書こうと思ったあなたは、
一度リビングに行こうと思い。
部屋を出ようと
ドアノブに手をかけた。
すると
昨日の記憶が徐々に蘇ってくる、、
少し胸の鼓動が早くなるのを感じ、
深呼吸をして自分を落ち着かせる。
肩で息をしながら、
必死に意識を別の方向へと
持っていこうとしたが、
少しずつ息がしづらくなるのを感じた。
もうダメかもと思ったその時、
ドアノブを掴むあなたの手を
ガシッと上から掴む
ゴツゴツとした大きな手。
その直後に
フワッと全体が包み込まれる。
声のする方へ振り向くと、
そこには寝ていたはずの紫耀がいた。
すごい寝癖をした紫耀は
まだ眠たそうに目を細めている。
昨日飲み干した
空のペットボトルを持ち、
あなたの元へと戻ってきた。
あなたの手を握ると、
紫耀がドアを開け、
あなたの手を引いて
一緒に部屋を出た。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!