あなたは紫耀の方を見ながら
海人に言った。
あなたはベースを持って
KINGの部屋へと向かった。
海人は狸寝入りを
見逃していなかった。
ーーーーーあなたside
KINGの部屋に入り
ベースを床に置いた。
最近、やっと泣かなくなったなー
そんな事を思いながら、、、。
でもそれは決して
恭平の事を忘れたわけではない。
恭平がいない日常に
慣れたわけでもない。
頭で理解をして
前を向いて前進しているだけ。
ただがむしゃらに
前に向かって
突っ走っている。
そんな時期だって
あっていいよね。
ベースを弾き始めた頃に比べて
血が滲まなくなっていた。
心も少しずつ
強くなっていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!