第576話

piece568〜前に進めてる
3,574
2019/09/02 03:46




紫耀は自分の想いを

ストレートに伝えてきてくれた。








それがどんどん

あなたの胸にささっていく。








平野紫耀
平野紫耀
やっぱり恭平の事、考えてしまうよな。




この暗い部屋の中でも

紫耀はあなたが涙を流している事に

気づいていた。





紫耀の左手が

あなたの涙をそっと拭う。






平野紫耀
平野紫耀
わかってる。あなたの中で1番じゃない事ぐらい、、、。あなたの中で恭平が1番でも、、、俺の中ではあなたが1番なんだ。
あなた

紫耀、、聞いて?

平野紫耀
平野紫耀
もう一歩引いて見てるのなんて耐えられる自信がない。いや、そんな無理矢理どうって話しじゃないんだけど、、。こんなに傷ついてボロボロになってるあなたを、、、ホントはもっとずっと抱きしめてあげたかった。
あなた

紫耀、、!

平野紫耀
平野紫耀
え?あ、、ごめん。





紫耀を呼ぶあなたの手が

紫耀の手を握り

呼ばれている事に気づく。




あなた

紫耀、、、ありがとう。私の事をすっごく想ってくれてるのは伝わった、、嬉しかった。ありがとう。





暗い部屋の中。

あなたの体温だけで、

表情を読み取るのは

難しかった。





あなた

私の中にね、恭ちゃんが居ないって言ってしまったら嘘になる。でも前に夢で言われたんだ。前に進めって、、。ただ前に進めって意味じゃなくて、いろんな意味が込められた《前に進め》だったんだって気付かされたんだよね。





恭ちゃんが言う

《前に進め》の本当の意味。







それはきっと

《俺の後追いをするな》

《今をしっかり生きろ》






そして最後まで

恭ちゃんが言えなかった言葉、、、







ーーーーー好きな奴が出来たら

そいつと幸せになれ。






現実的にわかってる。






亡くなった人と

生きている人との

歩くべき世界が違う事なんて。






わかりきった事なのに、

いざ言葉にすると

切なくて、、、

苦しくて、、、

悲しくて、、、。






あなた

あのライブの日、恭ちゃんが私に言ったんだ。

平野紫耀
平野紫耀
恭平が?
あなた

うん。《ありがとう、大好き。》それから《さよなら。》って。だから私も言ったの。大好きだよって。忘れないからねって、、。

平野紫耀
平野紫耀
そうだったんだ、、。辛かったな。ごめん、そうとも知らずに。
あなた

違うの。そうじゃなくて、、、恭ちゃんの事は好き。だけど、恭ちゃんは好きだった人。こう思えるようになっただけでも、少しずつ前に進めてるんだって思うんだよね。

平野紫耀
平野紫耀
あなた、、。
あなた

いつまでも恭ちゃんを待ってても、もうさ、、戻っては来ないじゃん?悔しいけど。だけど、そんな私の事を周りで支えてくれる素敵な人達がいるんだって気づけたの。

平野紫耀
平野紫耀
うん。
あなた

いつもいつも、どんな時も、側で支えてくれて、、、ホントにホントにありがとう。

平野紫耀
平野紫耀
なんか、、そんなストレートに言われると照れるな(笑)
あなた

今更?笑





そう言って2人は

クスクスと笑いあった。





あなた

ねぇ紫耀、、。私に少しだけ時間をくれる?ちゃんと話しておきたい人がいるの。

平野紫耀
平野紫耀
それって、廉??
あなた

どうして廉だと思うの?

平野紫耀
平野紫耀
でた!!QをQで返す荒技!笑
あなた

真面目に話してる?笑

平野紫耀
平野紫耀
話してるよ!もちろん!笑




そしてあなたは

紫耀に伝えた。






あなた

ちゃんと話して、また紫耀の所に戻ってくる。その時に私の気持ちを聞いて貰っても良いですか?






紫耀とあなたの間に

短くて長い沈黙が流れた。








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