目に溜まりきらなかった涙が
次々と溢れ出す。
いくら細い廉でも、
観覧車の中で立ち上がると
グラっと揺れる。
そう言ってあなたの隣に座る。
そしてポロポロという効果音が
聞こえてくるぐらいの
大粒の涙を流しながら、
それでも必死にこらえようと震える
あなたの肩を抱く。
俺のとこに来い
そう言うてた。
こんなボロボロになって
泣きながらしがみつくあなたの手を
離したくないと、本気で思った。
こんなズルイ俺やけど、
あなたには紫耀しかみえてなくて
どうしようも出来んけど、
それでもええ。
俺やったらこんな悲しい想い
させんのにな、、、。
観覧車は頂上から
ゆっくり、、、ゆっくりと
下へ降りていった。
抱き寄せていた
あなたの肩を離し、向き合う2人。
廉の細い指で
あなたの涙を拭う。
あなたは思いっきり首を横に振る。
そんなあなたを見て
廉は笑ってしまった。
そう言いながら
またあなたを抱きしめる。
廉は頂上から
観覧車が下に着くまでの7分間、
あなたの事を支え、励まし、
優しさと笑顔で包み込んだ。
そうしてクシャクシャっと
あなたの頭をなでると、
あなたの手を引き、
観覧車を降りていった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。