いつもなら気持ち良く
歌えるはずなのに、
今日はいろんな感情が邪魔をした。
確かに歌っているはずなのに
どこかで考えてしまっている。
祐奈がスタジオで
笑いながら観てるのかな?とか、
実際のところ
紫耀との関係はどうなんだろうとか。
そんな事を考えていると
歌詞が出てこなくなった。
今まで歌詞を飛ばす事はもちろん、
間違えた事すらなくて、
歌詞が出てこなくなった今この状況に
ファンは驚いていたが、
あなたの代わりにファンが
ワンフレーズを歌っていた。
その後はすぐに持ち直し、
何事もなかったかのように
プロ魂で歌い上げるあなた。
そして演奏が終わり、
中継が途切れる前に
とファンに向けて
手を合わせて謝る。
レアなところを見れて
ファンもテンションが上がっていて
そんなあなたに向かって
歓声が飛んだ。
そしてあなた達が楽屋に戻った直後、
勢いよく楽屋のドアが開かれた。
そして紫耀が
座っているあなたの目の前に歩いてきた。
あなたが今までそんな風に
言い返してきた事が無かった為
紫耀は驚いていた。
あなたは大きな声を上げて
立ち上がる。
その時ちょうどノック音がし、
海人が入ってきた。
海人は一瞬で
気まずい空気を察した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。