ーーーーーあなたside
あなたの目に溜まりきらなかった涙が
次々と溢れ出す。
自分からは
別れたいなんて
嘘でも言えなくて、、、。
いっそのこと嫌いになれたら
ラクなのに、
それも出来ない。
むしろ好き、、、大好き。
自分じゃ嘘でも言えないから
紫耀から言ってくれるのを
ただ待つだけで、、、。
どこまでも
ズルイ自分になってしまう。
黙っていると
紫耀がまた聞いてくる。
紫耀にこんな悲しそうな顔を
させたいわけじゃない。
そうじゃないけど、、、。
この質問に
うなずかないといけない、、、
そうわかっていても
うなずけない。
だから目をそらしてしまう。
目を見てしまうと、
好きが溢れてくる。
涙と一緒で
大好きが抑えられなくなる。
そう言って
廉の後ろに隠れるのが
やっとだった。
こんな私を
嫌いになって、、、。
紫耀の方から
こんな私とは別れたいって言って、、。
だけどやっぱり
嫌いにならないで、、、。
好き
大好き
別れたくない、、、。
紫耀の悲しそうな顔を見るのも辛い。
でもやっぱり私の中の
pieceの存在も大きい。
《俺らだったらって
もっと上を目指したくなる》
そう呟いていた猛。
《目指したくなるじゃなくて
上に行くんでしょ?》
嬉しそうに言っていた響。
そして今でも大切な存在の
恭平、、、。
この3人の事を思うと
自分が我慢しなければいけないのは
目に見えていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。