ダメと頭ではわかっていても、
もう止められなかった。
廉はあなたの頬に触れ、
それから顎に手をかける。
そしてゆっくり顎を持ち上げ、
そっと顔を近づけた、、、
ーーーーー紫耀side
夜のシーンの撮影を終え、
ホテルに着いた紫耀は
その足でシャワーを浴びる。
立ったままでも寝れそうなぐらい
ハードだった今日の撮影。
主にアクションシーンだった為、
身体中いたるところにアザが出来ていた。
何とかシャワーを浴びて、
ベッドにダイブする。
フッと眠りに落ちそうになった時
あなたの存在が頭によぎった。
カバンからスマホを取り出し
ディスプレイを確認する。
紫耀は慌てて掛け直す。
コール音が何度も何度も
響きわたる。
そう思って電話を切ろうとした時、
コール音が途切れた。
確かに電話は繋がっているが
声がしない。
紫耀が待っていると、
電話の向こう側から声がした。
紫耀は一度スマホを耳から離し、
時間を確認した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。