廉が出て行ったあと、
ダイニングテーブルの椅子に座り
頭痛薬を飲んだ。
しばらくボーッとしていたあなた。
ため息をつきながら
机にうつ伏せた。
ーーーーーガチャッ
そこへリビングのドアが
開く音がする。
顔を上げると
髪をタオルで拭きながら
紫耀が入ってきた。
紫耀は机の上にある
頭痛薬のカラを指差す。
立ち上がり
水を持って紫耀の方へと向かった。
紫耀は自分の頭の上にあったタオルを
あなたの頭にかぶせる。
そしてそのタオルで
クシャクシャっと
あなたの髪の毛を拭いた。
そう言って
紫耀はあなたを抱き上げ
部屋へと向かった。
紫耀の部屋に着き
ベッドの下にあなたを座らせる。
そしてその後ろのベッドに
紫耀が座り、
あなたの髪の毛を
乾かしだした。
紫耀が髪を乾かしながら
あなたの肩を
ポンポンとした。
紫耀の方へ振り向くあなた。
あなたが振り向いたと同時に
唇が触れるか触れないかぐらいの
優しいキスをする紫耀。
そして紫耀とあなたは
場所を交代して髪を乾かした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。