第464話

piece457〜今宵は満月
3,848
2019/05/31 07:12



あなたが歌っていたのは

《ツナグ》だった。






透き通るような繊細な歌声。






でも真っ直ぐに

心へと響いて届くような歌声。






平野紫耀
平野紫耀
でも気づいちゃうんだよなー。。





そう、あなたは泣きながら歌っていた。






声が少し震えている。

その《少し》に気づける、、。






普通皆が気づけないような

《少し》に気づいてしまう。





平野紫耀
平野紫耀
俺どんだけ好きなんだよ。。笑




空を見上げると

今宵は満月。






月の光とあなたの歌声が

降り注ぐ不思議な時間だった。











そして紫耀はお風呂から上がり

廊下へ出る。





平野紫耀
平野紫耀
こんぶさんいないのかな、、?あなたの部屋で待ってよう。




あなたの部屋に行く途中、

恭平の部屋から光がもれていた。






電気の消し忘れかと思うぐらいの

光が差している。






紫耀がのぞくと

そこには月明かりに照らされ

窓際の植木鉢を眺めている

こんぶさんだった。




こんぶさん
こんぶさん
あの子達には内緒よ、、。




そう言って鼻をすすりながら

静かに涙を流すこんぶさん。





猛達の前で涙を流すと

不安にさせてしまう。

悲しい雰囲気にさせてしまう。






そうしてこんぶさんは

ずっと我慢してきたのだろうか。







紫耀はあえて声を掛けずに

そのままあなたの部屋へと

向かった。




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