第998話

piece964〜空からのLetter
2,368
2020/08/24 13:39



柔らかい表情で笑っていた恭平が

急に寂しそうな顔をした。



賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
最初、、卒業おめでとうって言える自信が無かった。何で俺だけこの輪の中にいないんだろ、、何で俺だけあの時の俺のまま時間が止まってるんだろって。
星野響(ほしのひびき)
星野響(ほしのひびき)
恭ちゃん、、。
賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
悔しくて、、悔しくて悔しくて、、天国うえから見てんのも辛くて、、。そんな日々が続いてた。



恭平は涙をこらえるように、

上を向きながら話しを続けた。



賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
でも、どうしようもできねんだよ、、この歳の差は。この先ずっと埋まる事なく開いていく、、。それはどうしようもできねぇ。わかってるよ、、だって俺死んでんだもん。
駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
恭、、。
賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
あの時俺が自分で考えて行動したのにさ、死んだ後に後悔してんだ、、おかしいよな、俺。
駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
おかしくない。誰もそんな事思わないよ。



恭平は静かに顔を下ろすと、

3人を見つめる。



賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
まだお前らと音楽でやり残した事もいっぱいあったし、もっと楽しい事したかったし、愛してしまった人がいたから、、、だから後悔したんだろうな、、まだ生きたかったなって、、。



そして恭平は遠くを見つめると

大きく深呼吸をした。






賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
でもさ、俺がいつまでもこんなんじゃだめだって気づいた。遺された方はたまったもんじゃねぇよなって、、、だから天国からいつもいつも祈ってた。
あなた

何を、、?

賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
お前らが、俺の為に流した涙の数以上に、笑顔になれますようにって。




恭平の心からの愛情が

3人の心に降り注ぐ。



あなた

恭ちゃん、、っっ。

賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
泣くな馬鹿、、。



泣いているあなた、

そして目に涙を浮かべる猛と響。

そんな3人を見ていて

耐えれなくなった恭平は、

下を向き、目頭をつまんでいて、、、

必死に涙をこらえているのが

見てわかった。



賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
俺はいつも見守ってる。雲の上から、、今もこれから先もずっと、、。だから辛い事とか壁にぶち当たる時があったら空見ろよ?
あなた

答えてくれる、、?

賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
もちろん。
星野響(ほしのひびき)
星野響(ほしのひびき)
励ましてくれる?
賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
当たり前だろ。
駒瀬猛(こませたける)
駒瀬猛(こませたける)
俺らを、、導いてくれるか?
賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
あぁ、空から光の手紙出すから、、光のさす方へ向かえよ。



恭平の笑顔の上に

一筋の涙がキラキラと光りながら

落ちていった。





賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
もしもな、、、全ての人が、自分の死ぬ時おわるときを知ってるなら、その日までに1秒でも多く、大切な人たちとの時間を噛み締めながら生きていくのかな、、




俺がそう思ったから、、、





賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
だけどそんな事は誰にもわかるわけがない。だから人はいつか訪れる最後の日がきて後悔するんだろうな、、。




俺みたいに

急に明日が来ないやつだっている。




その時になって後悔しないように、、、




賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
だから、後悔しないように、今を一生懸命生きろ。



思った時に行動して、

思った事を相手に伝えて、、、




賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
そして辛い事があっても前に進め。



何かあったら

きっと周りの仲間が

助けてくれるから、、、




賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
どんなに苦しくったって、明けない夜はない、、。



夜が来たあとは

必ず朝が来るから、、、





だから、、、





賀川恭平(かがわきょうへい)
賀川恭平(かがわきょうへい)
今この瞬間を大切に、しっかりと生きろ、、。




沢山泣いても

それ以上に沢山笑って






そして







俺の分まで生きて、、、

















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